チュニジアの観光地Chenini
アフリカ,  チュニジア

チュニジアの隠れた名所シェニ二|心に刻まれる古代ベルベル人の村を紹介!

チュニジア南部、タタウィンの近くに位置するベルベル人の村、シェニ二(Chenini)。あまり観光客のいないこの地には、壮大な歴史と美しい自然が調和した特別な景色が待っています。

実は私がチュニジアの旅で一番心に残った場所がここでした。数々の美しい場所を訪問した中でも自信を持ってお勧めできる場所。この小さな村を訪れることは間違いなく心に深く刻まれる思い出となるでしょう。チュニジアを旅するならぜひ寄ってみてください。

シェニ二の場所とアクセス

シェニ二へはタタウィンから車で約20分の距離です。本数が少ないですが、バスで行くこともできます。私は行きはバス、帰りはシェアタクシーを利用しました。

ここは自分だけでも歩いて回ることが可能ですが、村の入口に簡単なお土産屋さんと観光案内所があり、ガイドを依頼することもできます。村の歴史や背景についてより深く知りたい方は利用するとよいでしょう。

また、かなり坂道になっているので歩きやすい靴と水を準備して、村の細い坂道や遺跡を存分に探検してください。

古代の魅力:村とグスル

チュニジアの観光地Chenini

シェニ二は、山の斜面に築かれた村で、何世紀にもわたるベルベル人の暮らしを今に伝えています。砂岩の崖にへばりつくように立つ家々や、小道を進むたびに見つかる遺跡の数々が、訪れた人を時空を超えた旅へと誘います。

特に圧巻なのは、村を見下ろす位置にある「グスル(Ksar)」。これは穀物倉庫として使われた建物で、防御の役割も果たしていました。シェニ二のグスルは保存状態が良く、その独特のデザインと周囲の風景が一体となり、まるで絵画のような景観を作り出しています。

自然と歴史が織りなす風景

チュニジアの観光地Chenini

村の周囲には、広大な砂漠と奇岩が織りなす壮大な景観が広がっています。特に夕暮れ時には、オレンジ色の光が村全体を染め上げ、その美しさは言葉に尽くせないものです。

また、この周辺地域には「スター・ウォーズ」シリーズのロケ地として知られるスポットも点在していますが、シェニ二そのものが映画に勝るとも劣らない感動を与えてくれる場所です。

シェニ二が心に残る理由

チュニジアの観光地Chenini

私がチュニジアを旅した中で、シェニ二が特に心に残っている理由。それは、この村が観光地でありながら、依然として日常生活の一部として生きている場所だからです。現地の人々が暮らしを営み、その歴史を守り続ける姿に触れることで、旅が単なる観光ではなく、深い学びと感動を伴う体験となりました。

スローな旅のすすめ

チュニジアの観光地Chenini

シェニ二を訪れる際に、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。それは「時間をかけること」です。この村は、観光バスが30分程度でさっと写真だけ撮って駆け抜けられる場所ではありません。現地の人々は、このような表面的な観光に嘆きの声を上げています。それもそのはず、村を歩き、古代の住居や小道を探検し、そこに息づく歴史や文化をじっくり感じることが、この地の本当の魅力を知る鍵だからです。

さらに、シェニ二では地元の人々との交流も特別な体験となります。彼らは訪れた人を温かく迎え入れ、ベルベル文化について語り、手工芸品や伝統的な料理を紹介してくれます。その時間を共有することで、シェニ二で過ごすひとときがより深く、意義のあるものとなるでしょう。

Lapinの旅日記:Chenini編

チュニジアの観光地Chenini
人が自然を愛で、
自然が人を生かす
人と自然の調和が美しい。
 
ここを訪れた瞬間、ただただすごいって立ち竦んでしまった場所。
城塞都市のようにも見えるCheniniは、11世紀後半につくられた最も古いクサールの村。
今までのクサールとは違い、断崖の山肌にへばりつく様に建てられ、別名「カラ」と呼ばれています。
このクサールも穀物倉庫。
原住民のベルベル人たちが、敵から侵略されることを恐れ、山の上のカラに大切なものを保管したり、避難したりするために城塞化したもの。そのためカラは、あえて谷の奥や険しい断崖に建てられることが多かったといいます。

チュニジアの観光地Chenini

前回レポした、スターウォーズに使用されたクサールは、16~17世紀とここよりも少し時期が経った、平和な時代に造られたもので、こちらよりも少し低地に作られています。
砂漠に近い地域では、夏の乾燥する時期に農産物の生産力が落ちてしまうため、雨の多い冬に作った食物を長期保存しておくためにクサールは必要不可欠でした。
地形の窪みを利用した穴居住宅とクサールが山にへばりつくように建つベルベル人の村。
敵から身や大切なものを守るため、山へ上り洞窟を作って暮らしたベルベル人。
争いがなくなり平和になった今、今度は職を求めて多くのベルベル人が山を降りなくてはいけなくなりました。
そうしてたくさんのベルベルの村が廃墟になってしまったけれど、ここはまだ、現役でベルベルの人々が住んでいます。

チュニジアの観光地Chenini

世界遺産になるかもしれない、でもまだなっていないChenini。
突然の雨に、雨宿りさせてもらった家の人は、今も毎年4組くらいの家族が、仕事のためにこの山を出て行くのだと悲しそうに話してくれました。
観光客は来るけれど、ツアーバスでやって来て、30分程度写真をバシャバシャとってはあっという間にいなくなるといいます。
この村が救われる道があるといいな。
あんなに頑なに買い物を我慢してきたけれど、村の収益になればと小さなカーペットと小さなお皿を買ってしまった…
出会えて嬉しいと思う場所。
残って欲しいと願う場所。
ベルベルの誇りを大切に受け継いでいって欲しい、そんな場所でした。
 
※Lapinの旅日記は、現地でFACE BOOKの投稿用に書いていたものなので、本文と文体が違っていたり、内容が重複していたりすることをご了承ください。

まとめ

チュニジアの観光地Chenini

シェニ二の持つ独特の雰囲気は、訪れる人々を惹きつける魅力があります。ぜひ一度訪れて、この村に流れる静かな時間を一緒に過ごしてみてください。きっとこの村に魅了されますよ!

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