コハイト(Qohayto)観光ガイド|エリトリアの知られざる古代遺跡を訪ねて
目次
Toggleエリトリアには、アスマラやマッサワといった有名な都市だけでなく、古代文明の遺跡が点在しています。その中でも、コハイト(Qohayto)は特に注目すべき歴史的スポットの一つ。
標高2,500メートルの高原に広がるこの遺跡は、かつてアクスム王国と関係が深かったとされ、悠久の歴史を感じさせます。
この記事では、コハイト遺跡の魅力と訪問時のポイントを紹介します。
コハイト(Qohayto)とは?
コハイト(Qohayto、Qohaito)は、エリトリア南部の高地に位置する古代遺跡群。紀元前5世紀頃から紀元後6世紀にかけて栄えたと考えられ、エチオピアのアクスム王国との関係も指摘されています。
かつて交易の中継地として繁栄し、現在でも神殿や墓、石碑の遺構が残っています。
標高が高いため、晴れた日には壮大な景色を楽しめるのも魅力の一つ。遺跡の周囲には深い峡谷が広がり、「サバの女王の宮殿」や「エラ・サワラ(Erah Sawira)」と呼ばれる崖の景観も見どころです。
コハイトの場所
コハイト遺跡の見どころ
コハイトは美しい渓谷の自然美と、遺跡や岩絵なども見ることができる歴史的価値もあるスポットです。
①アクスムの都市遺跡
コハイトで最も有名な遺跡の一つが「サバの女王の宮殿」と呼ばれる建築跡。名前の由来は伝説的なものですが、実際にはアクスム王国時代の建物の遺構と考えられています。
現在は石の土台が残るのみですが、かつては壮麗な建物が建っていたことがうかがえます。
②エラ・サワラ(Erah Sawira)
コハイト遺跡のすぐそばには、壮大なエラ・サワラ(Erah Sawira)の崖があります。
断崖絶壁のスケール感は圧巻で、エリトリアの自然の美しさを存分に感じられるスポットです。ここからの眺望はまさに絶景で、写真撮影にもおすすめ。
③古代の石碑(スティーラ)
コハイトにはアクスム王国と関連する石碑が点在しています。
これらのスティーラ(stelae)は、墓や宗教的な記念碑として建てられたとされ、当時の文化や信仰を知る手がかりとなっています。
④アディ・アラウティ渓谷(Adi Alauti Canyon)
エリトリアの隠れた自然の名所、アディ・アラウティ渓谷(Adi Alauti Canyon)は、壮大な岩壁と風雨に削られた独特の地形が魅力の渓谷です。
険しい断崖や奇岩が連なるこのエリアは、ハイキングや写真撮影に最適。長い年月をかけて形成された岩層が、地質学的にも興味深い場所となっています。
⑤岩に刻まれた壁画(Petroglyphs of Adi Alauti)
コハイトでは、先史時代の人々による壁画も発見されています。
アディ・アラウティ渓谷の中腹には、動物や人間の姿が描かれており、古代の生活や信仰を垣間見ることができます。
道がわかりづらく、崖をおりて行かなくてはいけないので、必ず現地ガイドと同行するようにしましょう。
⑥イシュカー山の渓谷(Canyon of Ishker Mountain)
イシュカー山の渓谷(Ishker Mountain)に広がるこの渓谷は、荒々しい岩肌と深い谷底が特徴的な絶景スポットです。
エリトリアの自然の厳しさと美しさを同時に体感できる場所で、静寂に包まれた壮大な景観が訪れる者を圧倒します。
⑦シカモアの谷(Valley of the Sycamores)
コハイト遺跡の近くには、「シカモアの谷(Valley of the Sycamores)」と呼ばれる美しい谷があります。
このエリアは、長い年月をかけて形成された渓谷の地形が特徴的で、シカモアの木々が点在することからその名が付けられました。コハイトの遺跡とともに、この自然の景観も訪れる価値があります。谷底には古代の岩絵が残されており、当時の人々の生活や文化を垣間見ることができます。
⑧デケムハレ(Dekemhare)
エリトリアのデケムハレ(Dekemhare)周辺には、エリトリア独立戦争の激戦地として知られる戦争の跡が残されています。
この地域は、エチオピア軍とエリトリア解放戦線(EPLF)との間で激しい戦闘が繰り広げられた場所であり、今も塹壕や破壊された建物の痕跡を見ることができます。
エリトリアの独立闘争の歴史を物語るこの地は、戦争の記憶を後世に伝える貴重なスポットであり、訪問者に深い歴史的な考察を促します。
⑨セナフェ(Senafe)
セナフェ(Senafe)は、エリトリア南部に位置する歴史と自然に恵まれた町。標高約2,400メートルの高地にあり、涼しい気候と雄大な山々に囲まれています。
かつてアクスム王国の影響を受けた地域で、古代遺跡や岩に刻まれた碑文が残されています。コハイト(Qohaito)遺跡やエラ・サワラ(Erah Sawira)観光の拠点としても魅力的。エチオピアとの国境に近いため、歴史的にも重要な役割を果たしてきた町です。
コハイトへの行き方
コハイトはエリトリア南部のセナフェ(Senafe)の近くに位置し、首都アスマラ(Asmara)から約120kmの距離にあります。アスマラからセナフェまでは車で約3~4時間かかり、そこからコハイト遺跡まではさらに約30分ほど。
公共交通機関は限られているため、アスマラで車をチャーターするのが一般的です。セナフェの街を経由して訪れることになりますが、道中は美しい高原地帯が広がっており、ドライブ自体も楽しめます。
訪問時の注意点
気候と服装
標高2,500メートルにあるため、日中は涼しくても朝晩は冷え込みます。防寒対策を忘れずに。入場料とガイド
遺跡は管理されておらず、特に入場料は必要ありませんが、地元のガイドを雇うとより詳しい説明を聞くことができます。食事と水分補給
遺跡周辺には飲食店がないため、水や軽食を持参することをおすすめします。セナフェの街で事前に準備しておきましょう。治安情報
エリトリア南部は比較的安全ですが、外国人観光客が少ないため、身の回りには注意を払いましょう。また、写真撮影が制限されている場所があるため、事前に確認してください。
Lapinの旅日記:コハイト編
〜Qohaito & Valley of the Sycamores〜
ここコハイトは、2500年以上昔にアクスムの都市として栄え、今もなお石の廃墟の中に立ち続ける石柱rock pillarsがあちこちに残されている。
風雨にさらされたまま。
2500年以上も。
あまり人もこないようなこの場所で。
周りは谷、グレートリフトバレー。
標高2700mのこの土地は、歩いていると突然500m落差の崖にぶちあたったり、地下洞窟があったりと、とにかく出会う景色がド迫力。
ここに来るまでも道といえるような道はなかったけれど、岩絵を見るためには、さらにこの谷を歩いて下るという。
突然出てくる断崖絶壁や、すごい落差が怖い&美しいのだけど、そのスケールは写真じゃ伝わらないかな。
ここを下って壁画を目指す。
崖の中腹に洞窟があり、そこに壁画が描かれていた。
こんなところに描いた人もすごいし見つけた人もすごい。
断崖絶壁の小さな洞窟に作られた秘密の美術館。
キングコングの住処に招かれた気分でワクワクする。
世界のいろいろな岩絵を見てきたけれど、ここの絵のコンディションが良くてすごい。繊細な絵がびっしりと描きあげられている。
そして洞窟から見渡す景色も壮観!
ここで毎日この景色を眺めていたら、この自然を壊して何かをしようとする人が現れたら、それはそれは怒るだろう。
ここへ来る途中、Valley of the Sycamoresによってきた。
シカモレの谷。
樹齢300年のシカモレの大木があちらこちらにどっしりと構える様は壮観だった。
この木はエリトリア紙幣にも描かれている。
張り巡らせた幹のような根の周りでヤギたちが憩う。
木に精霊が宿っていると確かに信じられる場所だった。
自然は自然にあるのが美しい。
コハイト観光のまとめ
コハイト遺跡は、エリトリアの中でも特に神秘的で歴史的な価値の高いスポット。アクスム王国との関係を示す遺構や、壮大な峡谷の絶景は訪れる価値があります。
アクセスがやや不便ではあるものの、その分観光客が少なく、静かに遺跡を堪能できるのも魅力の一つ。アスマラやマッサワ観光とあわせて、エリトリアの知られざる歴史を体感してみてはいかがでしょうか。