
メロエ島の古代遺跡群旅行記|クシュ王国の歴史を辿って200㎞ヒッチハイクの冒険
目次
Toggleスーダンの砂漠地帯に広がるメロエ島の古代遺跡群は、かつてクシュ王国の繁栄を物語る貴重な遺産です。ピラミッドや神殿が点在し、ナイル川流域の壮大な歴史を感じられるスポットとして注目を集めています。
この記事では、メロエ島の遺跡群の見どころやアクセス方法、観光のベストシーズンなどを詳しく解説します。
メロエ島の古代遺跡群の場所
メロエ島の古代遺跡群は、スーダン北部のナイル川東岸エリアの砂漠に点在しています。首都ハルツームから約200kmの距離です。
メロエ島の古代遺跡群とは

メロエ島(Meroë)は、紀元前8世紀から紀元後4世紀にかけて栄えたクシュ王国(Kingdom of Kush)の中心地でした。
メロエのピラミッドはエジプトのものと異なり、鋭角な形状が特徴で、多くの王族が埋葬されました。また、神殿や宮殿の遺跡も残っており、ナイル文明の影響を受けつつ独自の文化を築いたクシュ王国の歴史を今に伝えています。
その歴史的価値を評価され、メロエ島の考古遺跡群は、2011年に「The Archeological Sites of Meroë」として、世界遺産にも登録されました、
クシュ王国の歴史

クシュ王国は、紀元前8世紀から紀元後4世紀にかけてナイル川上流(現在のスーダン)に栄えた古代王国です。
エジプトの影響を受けながらも独自の文化を発展させ、メロエを中心に多くのピラミッドや神殿を築きました。特に、クシュ王国の王たちは一時期エジプトを支配し、「黒いファラオ」として知られています。
また、鉄器生産や交易が盛んで、アフリカと地中海世界をつなぐ重要な拠点でもありました。しかし、4世紀にアクスム王国の侵攻を受け衰退し、滅亡します。
その遺産は現在もメロイ島の古代遺跡群に残り、クシュ文明の栄光を物語っています。
メロエ島の古代遺跡群の見どころ
メロイ島の古代遺跡群には、多くの歴史的価値のあるスポットが点在しています。以下に主な見どころを紹介します。
メロエのピラミッド群

クシュ王国の王族が眠るピラミッドは、なんと約200基!これだけの数のピラミッドを作るために運ばれた岩や労力を考えるとすさまじいの一言。
エジプトのピラミッドとは異なり、急勾配の構造が特徴で、風化した姿もまた神秘的な雰囲気を醸し出しています。
少し離れた全体を一望することができる砂漠の中腹は、絶景ポイント。砂の中に静かに佇むピラミッド群の風景は古代へとタイムスリップした気持ちにさせてくれます。
アムン神殿

クシュ王国の宗教の中心地であり、太陽神アムンを祀る壮大な神殿跡。壁画や石碑には古代の儀式や王の記録が刻まれています。
ロイヤル・シティ(王宮跡)

クシュ王国の王宮があったとされるエリア。かつて王族が暮らしていた豪華な建築物の遺構が残り、宮殿の基礎部分などを確認できます。
メロエ遺跡博物館
遺跡から出土した工芸品や石碑などが展示されており、クシュ王国の文化や歴史をより深く学べる施設です。
ナイル川沿いの遺跡群

メロエ島周辺には、ナイル川沿いに点在する小規模な遺跡も多く、クシュ王国の貿易や生活の様子を垣間見ることができます。
メロエ島の古代遺跡群への行き方

メロエ島の遺跡群へ行くには、スーダンの首都ハルツームを起点とするのが一般的です。
飛行機でハルツームへ:日本からの直行便はなく、ドバイやカイロ経由でハルツーム国際空港へ向かいます。
ハルツームから陸路で移動:ハルツームからメロエ島までは約200km。車で約3〜4時間の距離にあり、4WD車を手配するのが理想的ですが、バスでも近くまで行けます。
ただし、直接行く便は限られており、また遺跡のそばに必ず停車するわけではありません。降りたい場所で「Stop please!」と申告が必要なので、バスに乗ったときに運転手に伝えておいたほうがベスト。私は「ベグラウィアのメロアのピラミッドのそばでおりたい」と伝えておきました。

ツアー利用:旅行会社が手配するツアーに参加すると、効率的に遺跡を巡ることができそうですが、メロエの遺跡だけに行くツアーを私は見つけられませんでした。
スーダン周遊はバカみたいに高い!なのでメロエや他の世界遺産も自力でも行けるので自分で行きましょう!
メロエ観光のベストシーズン

スーダンは砂漠気候のため、夏季(5月〜9月)は酷暑となり観光には適しません。最適な観光シーズンは以下の期間です。
11月〜2月:最高気温が25〜30℃前後で、快適に観光できます。私が行ったのは12月。
3月〜4月、10月:やや暑くなりますが、観光は可能。
メロエ観光の注意点

観光時には以下の点に注意してください。
気温対策:砂漠地帯のため、日中の暑さと朝晩の寒暖差に対応できる服装が必要。
水分補給:十分な飲料水を携帯し、熱中症対策を万全に。
入国手続き:スーダン入国にはビザが必要で、事前申請が必須。
治安情報の確認:渡航前に外務省や現地の治安情報をチェック。
現地ガイドの利用:遺跡保護のため、ガイドと同行するのが望ましい。
Lapinの旅行記:メロエのピラミッド編

200km、スーダンの荒野をヒッチハイクで走り抜けた旅
舐めてました。
物価安いだろうと思い込み、両替を1万円分しかしてませんでした。
寝袋紛失してたので野宿は出来ないため、宿は1晩3ドルのドミトリー。
食べ物はそれほど安いというわけでもなく、自炊するにもキッチンが壊滅状態。

現金が心許なくなっても街に両替屋さん無し、クレジットカードも使用不可。
そんな中で迎えた最終日、お金が足りるか不安だったけれど、どうしても観たくて200km先のベグラウィアまでピラミッドを見に行くことに。
ドミの人の話だとなんとかギリギリ残りのお金で行けそうだったのです。
が、3つのバスを乗り継ぎ、現地に到着した時はすでに所持金300円。
荒野の向こうにベグラウィアのピラミッドが見えるところでバスを降り、てくてく歩いていると、オンボロバスのおじちゃんが乗せてってやるから乗りなーと声をかけてくれて入り口まで送ってくれました。おじちゃんありがとう😊
なんとか目的地にはたどり着いたものの入場料が約2000円!
高い〜!(◎_◎;)予想外…
受付の人に300円しかないから外から眺めるだけにします。と言ったら、せっかく来たから見ていきなと言われて300円で入場させてくれました。
そしてとうとう所持金0円に。。ちーん…
ラクダ引きのおじちゃんに乗りなーと言われたけど、流石にこれはタダでは乗せてもらえず歩いて見学。
エジプトのピラミッドよりも小ぶりで三角が尖っている感じ。
保存状態はあまり良くないけれど、内装の彫刻はいくつか美しく残っていました。
無一文とバレているので、ガイドもラクダのおじちゃんも私にしつこくすることもなく放置されたため、逆にゆっくり見て回ることが出来ました。
観光客はほとんどおらず、広い荒野の中にぽつんと遥か古代の遺跡と私だけが佇む世界。
こういう寂れた感じのところで一人で黄昏るのは好きです。
遠かったけど、やっぱり来てよかった。
そして無一文の帰り道、人生3度目のヒッチハイクをするために大きい道に向かって歩いていると、またピラミッドのところから車が現れて、大通りまで送ってあげるから乗りなーと声をかけてくれました。
その人にお金がないことや今晩の飛行機でケニヤに行くのでハムツールに22時までにはたどり着かなくてはいけないことを話すと、行けるところまで送ってくれた上に、次の乗り継ぐ車を一緒に探してくれるという神対応。
そして、その先も乗り換えの度にみんなが次の車を探して乗せ替えてくれるので、ヒッチハイクというよりも、スーダンの人たちが勝手にどんどん私を運んでくれた感じになり、労力を使わず200㎞の距離を計6台の車に助けられ無事に戻ってこれました。
途中でチャイをご馳走してくれたり、生まれた子供を迎えに行く途中の幸せに溢れた人の車に乗ったりと、この経験は一生の宝物になりました。

私がみんなに伝えたいことは、武勇伝ではなく、スーダンという国の人々の暖かさと優しさです。自分の国に来てくれた人を心から歓迎したい、助けてあげたい、この国を好きになって欲しいという気持ちが自然にみんなから出ています。滞在中は常に誰かに助けられ、親切にして頂き、嫌な思いを全くしませんでした。
特に、生まれた子供を迎えに行く途中の車に乗せてもらった時には、一刻も早く子供に会いに行きたいところを、回り道させてごめんなさいというと、
「とても今幸せで、この幸せを感謝し、喜びを分け合いたい。生まれてきた子の幸運を願うことは他の人の幸せをも願うことだ。遠い国から来たゲストを助けることが出来て誇りに思う。」と嬉しそうに話してくれました。
スーダンの人たちはみんな、さあ、お客さんが来たのでおもてなしをしましょう!という押し付けがましさは全く無く、自然に当たり前のようにもてなしてくれているのです。スーダンの人々の純粋な心に、こちらの心も清らかになっていくような気になりました。
外国人に絡んだ凶悪な犯罪が増えている中、何やってるの、調子に乗りすぎ、と思う人も多いと思います。ですが、平和の祈りを世界の人々と共有することを目的とした旅であり、私がトラブルにあってそのコンセプトを台無しにするわけにはいかないので、身を守るための注意はしっかりとしているつもりです。
危機予測をしながら、これからも出来るだけ現地の人を信じて交流していきたいと思っています。
メロエ島の古代遺跡群の観光まとめ

メロイ島の古代遺跡群は、クシュ王国の栄華を感じることができる歴史的な名所です。
ハルツームからのアクセス方法やベストシーズン、ツアー情報を押さえておけば、充実した観光が可能になります。
訪れる際は、暑さ対策や治安情報を確認し、安全な旅を心がけましょう。


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