
スピッツベルゲン旅行でやるべきこと12選|スヴァールバル諸島最大の島で極地体験
目次
Toggleスピッツベルゲン島(Spitsbergen)は、スバールバル諸島(Svalbard)最大の島であり、旅の中心地です。
氷河クルーズ、野生動物観察、氷河内部に潜む氷の洞窟、犬ぞり、スノーモービル、この島で体験できることは、北極圏そのもの。
ビレフィヨルド(Billefjorden)やエスマルク氷河(Esmark Glacier)のフィヨルドを船でめぐれば、氷の色と質感の変化を目の前で見ることができます。
統計や報道で聞く温暖化ではなく、「氷の壁の後退」を実体として見る、という貴重な体験が舞っています。スピッツベルゲン島の旅は、“世界の変化”に触れる旅となるでしょう。
スピッツベルゲン島はどこにある?
スピッツベルゲン島は、ノルウェー本土の北方約1,000kmに位置するスヴァールバル諸島最大の島で、北極圏の海に浮かぶ“極北のフロントライン”のような場所です。
スピッツベルゲンってどんな島?

スピッツベルゲン島は、北極圏にありながら一般旅行者も訪問できる「人が暮らす北極」として知られる島です。夏でも平均気温は一桁台と冷涼で、氷河・フィヨルド・永久凍土がつくるダイナミックな地形が広がります。
観光の拠点となるロングイェールビーン(Longyearbyen)はスーパーマーケットや宿、レストランもそろう生活がある極北の街。北極の自然と人間が共存する“最果て”として注目を集めています。
一方、バレンツブルグ(Barentsburg)にはロシア文化が色濃く残り、ソ連レトロの雰囲気が強い別世界のような景観が広がります。
さらに、ノルウェーの研究拠点、ニーオーレスン(Ny-Ålesund)は一般観光は制限されつつも“地球環境研究の最前線”として存在感を持ち、北極の多面性を象徴する場所となっています。
①北極クルージング

イスフィヨルド(Isfjorden)やビレフィヨルド(Billefjorden)を船で進みながら氷河や山並みを見る北極海クルーズはぜひやってもらいたい体験のひとつ。
スピッツベルゲンの海は「地形の教科書」のように劇的で、白・ブルー・グレーが幾層にも重なります。極地でしか見れない北極フィヨルドの風景は心に深く刻まれるはずです。

人によりメイン体験は異なりますが、私の場合はこの体験が極地を理解する入口でした。
イスフィヨルドやビレフィヨルド、エスマルク氷河(Esmark Glacier)、バレンツブルグなど、行き先はツアー会社で異なりますが、海の静けさと風景の美しさは共通です。そして、どのクルーズにもテーマがあり、学びがあります。
7~8時間のクルージングで日帰りできるのも嬉しいポイント。気になる行先を選んで、ぜひ参加してみてください。
②氷河を間近で見る

エスマルク氷河(Esmark Glacier) やノルデンショルド氷河(Nordenskiöldbreen/Nordenskiöld Glacier)を訪れ、実際の氷河を見ることは貴重な体験になります。海に面した巨大な氷の壁を、船上から観察したり、季節やツアーによっては、そこからカヤックでさらに近くまで行くことも可能です。
スピッツベルゲンの氷河の青色は「青系インクの濃淡見本」のようで、日光の角度でまったく別の色に見えます。静寂を破る「バスッ」という音ともに氷が崩れ、海になだれていく瞬間は、崩壊のカウントダウンのようで切なさも感じました。
環境の変化は現場のガイドも敏感で、後退速度の話題は、観光中でも日常の会話です。「美しい」だけで終わらない「リアル」を実感する体験になるでしょう。
③野生動物を探す

船上や沿岸、雪原で野生動物と遭遇するのは極地旅の醍醐味です。
ホッキョクグマだけが主役ではありません。セイウチ、アザラシ、ツノメドリ、ホッキョク狐…目の前の岩や氷の上で、いつも何かが動いています。
この極寒の地でたくましく生きる生物たちの姿は、凛々しく神々しくもあります。野性動物たちも「この地球を一緒に共有する住人」であることを考えさせられる体験となるでしょう。
④犬ぞり体験

氷原や雪原を犬たちと駆け抜ける犬ぞりツアー(Dog sledding)は極地ならではの体験です。スピッツベルゲンでは「冬の足」としても有効だった歴史があります。
「走る」というより 「滑っている感覚」 に近く、坂道ではソリをおりて犬と一緒に駆けたり、スピードを調整したり。犬に委ねるのではなく、犬と一緒に協力しあいながら目的地をめざす楽しさがあります。
視界をすべて白が占め、ガイドの号令と犬の息遣いだけが頼りとなる空間を走り抜ける体験は特別な思い出になります。
⑤氷の洞窟探検

氷の洞窟(Ice Cave)を歩き、壁の層や泡の痕跡を見る体験は、貴重でめったにないチャンス。
氷が光を返す煌めきや色のグラデーションは、写真で見るよりも感動的な美しさです。
「何千年前の雪が、今この壁になっている」という説明を聞くと、見えるものの時間軸が変わり、より感慨深くなります。
この美しい地球をこの先も残していかなくてはならない、大切な自然からの贈り物を未来に繋がていかなくてはならない、と「地球人である責任」を感じる体験となるでしょう。
⑥スノーモービルで北極の大地を駆け巡る

冬季は“移動の自由度”が大きく上がります。白い面の中を、地図にない道を走る爽快感はなんともいえません。
真っ白の世界を走っていると、トナカイやホッキョクギツネに出くわすことも。
途中で停まって、野生動物や遠くの氷河を眺める「立ち止まる時間」が印象に残る体験です。
⑦ロングイェールビーンを散策しながら最北を網羅!

ロングイェールビーン(Longyearbyen)は、スピッツベルゲン島観光の基点となる極北の街です。
博物館、スーパー、郵便局、教会、ギャラリーなどがあり、北極圏にあるとは思えない、快適なステイを楽しめます。極地であっても「普通の生活」がちゃんと存在することに驚かされるでしょう。
世界最北の街と呼ばれる場所で、「最北巡り」もしてみてください。
⑧スバールバル博物館で北極について学ぶ

スヴァ―ルバル博物館(Svalbard Museum)は、氷河・気候・地史の基礎理解に最適な場所。現場体験の前後に行くと理解度が跳ね上がります。
特に氷河地形の展示は「海で見てきた光景の意味付け」になる感覚です。
⑨世界最北のビール醸造所のビールを味わう

世界最北のビール醸造所、スバールバル醸造所(Svalbard Brewery)で、クラフトビールのテイスティングを楽しみましょう!
氷河由来の水が原料のビールというのは、ここならでは。テイスティングでは5種類の味が楽しめて、それぞれのこだわりや工程も教えてもらえます。
ビール好きさんもそうでない人も、旅のまとめに飲む一杯として記憶に残る味になるはずです。
⑩バレンツブルグのソ連レトロな街並みを歩く

バレンツブルグ(Barentsburg)は「現代に生きるソ連レトロ」を体感できる街として印象的。スヴァールバル条約に基づき、正式にロシアが活動する拠点の一つで、行政・学校・炭鉱関連施設・文化ホールまで“ロシアの生活圏”がそのまま北極に存在しています。
ハンマー&シックルのデザイン、冷戦時代のプロパガンダ風モザイク、レンガの集合住宅、手描きの看板……観光地風の演出ではなく“今も使われている街”であることが本当にユニーク。
ここだけは時間線が少し違う、と感じる人が多い場所です。
⑪自分や大切な人に手紙を出す

スヴァールバル諸島では、“世界最北の郵便局”から手紙を出す特別な体験ができます。最北の郵便局はニーオーレスンにありますが、ロングイェールビーンの郵便局から出す人も多いようです。
北極海から届く消印は旅好きにとって一種のステータス。局内には記念スタンプもあり、観光地のグッズとは違う“本物の旅の証拠”を持ち帰れるのが醍醐味です。
せっかくの機会なので、ぜひ家族や友人、未来の自分宛てに手紙を出してみてください。その時に感じたことを文字として残すことで、気温・空気・匂いまで鮮やかに届けることができるでしょう。
SNS映え以上の「旅のストーリー生成体験」となるはずです。
⑫温暖化の現場を知る

スピッツベルゲンは、氷の量の変化が景色レベルで見える場所です。
ガイドは崩壊速度と、前線の後退のスケールを説明します。実際に現状を目の当たりにしたならば、“統計”ではなく“経験”で温暖化を理解することが出来るでしょう。
スピッツベルゲンは、観光しながら「人類の時間」「地球が抱える深刻な問題」を考える場所でもあります。
スピッツベルゲン島の行き方

日本からスピッツベルゲン島へは直行便が無いため、基本的にはオスロ(Norway)経由となります。
まず日本(成田・羽田・関西など)→ヨーロッパ主要都市→オスロ(またはトロムソ)へ入り、SASもしくはノルウェーの国内線でロングイェールビーン空港へ乗り継ぐのが一般的。
所要は全体で最短でも約20~30時間以上。オスロで1泊を挟む旅程にして“余白”を作ると、遅延対策にもなり現地入りが格段に楽になります。
スピッツベルゲンは、「ビザ不要エリア」とされており、外国人が滞在・就労・居住するための一般的なビザや居住許可は必要ありません。
パスポートはノルウェー入国管理に準拠ですが、スピッツベルゲンはシェンゲン圏外扱いという特殊な位置づけのため、往復航空券・滞在証明・ホテル予約の控えは持参したほうが安心です。
スピッツベルゲン島のベストシーズン

スピッツベルゲン島の観光のピークは「夏の白夜シーズン(6月~8月)」です。ほぼ一日中太陽が沈まず、冷たくクリアな光の中でフィヨルドと氷河のコントラストが最高に映えます。
船で氷河へ近づくクルーズ、海氷の残る水面に浮かぶアザラシ、夏にしか見られない氷の割れ目の青さなど、視覚体験が格別です。
一方、犬ぞりやスノーモービル、氷の洞窟探検は冬シーズン(11月~4月)が主役。闇夜から立ち上がる北極の静けさ、極夜の青い空気、そして運がよければオーロラとの遭遇も。
季節が変わると“別の惑星”レベルで世界が変わるので、目的基準で旅行時期を決めるのがおすすめです。
スピッツベルゲン観光のまとめ

スピッツベルゲンで体験したことは「観光」という枠を超えていました。
氷河が削った山肌、海に崩れ落ちる氷の音、氷の上で休むアザラシーー
ここだけの時間”が常に流れています。
そしてその美しさと同時に、変化する現実があります。氷河の後退、雪の質の変化、ガイドが“昔と違う”と言う瞬間。旅をしながら、世界の気温上昇が「数字」ではなく「実景」になる体験でした。だからこそ、この島には行く意味があります。
スピッツベルゲンの旅は、冒険と観察、感動と学びがすべて同時に存在する場所です。
「北極は遠い場所」ではなく「今の世界を敏感に反映している場所」であることを感じてみてください。
※当記事の情報は実際に旅した際の体験と、調査時点の情報をもとに執筆しています。
可能な限り正確を期していますが、万が一情報に誤りや更新漏れがある場合は、お手数ですが「https://tabilapin.com/contact/」よりご連絡いただけますと幸いです。確認の上、迅速に対応・修正いたします。
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