パプアニューギニアのマウントハーゲンフェスティバルに行ってきた!部族文化に迫る旅
目次
Toggle南太平洋の秘境、パプアニューギニア(Papua New Guinea)。そのハイランド地方にある都市マウントハーゲン(Mount Hagen)では、毎年8月に「マウントハーゲンフェスティバル(Mount Hagen Cultural Show)」が開催されます。
数十もの部族が集まり、色鮮やかな伝統衣装と力強いダンスを披露する光景はまさに圧巻。
2025年8月に行われたフェスティバルに、実際に参加したときの体験を元に魅力からアクセス方法、注意点や周辺観光まで、旅行者に役立つ情報をまとめました。
マウントハーゲンフェスティバルとは
マウントハーゲンフェスティバル(Mount Hagen Cultural Show)は、パプアニューギニア最大規模の文化ショー。国内には800以上の部族が存在し、それぞれ独自の言語や文化を持っています。
1960年代から続くこの祭典は、部族間の交流と平和促進を目的に始まりました。現在では観光客にも開放され、世界中から旅行者が訪れる人気イベントです。
会場では各部族が鮮やかな羽根飾りや顔のペイントを身にまとい、伝統音楽とともに踊りを披露。毎年8月、2日間にわたって開催されるこのパフォーマンスは圧倒的な迫力で、パプアニューギニア文化を肌で体感できる貴重な機会です。
マウントハーゲン開催会場
開催会場:クィーンズ・パーク
住所:46QJ+44R, Mount Hagen Western Highlands Province, パプアニューギニア
会場はチケットのある人のみが入場可能。
観覧席がありますが、フィールド内を自由に歩き回ることもできます。
マウントハーゲンフェスティバルのスケジュール

マウントハーゲンフェスティバルは例年8月中旬の週末に2日間開催されます。初日は部族が入場し、それぞれが好きにパフォーマンスを披露。
観光客は自由に会場を歩き回り、近距離から写真撮影をすることができます。
2日目は来賓席に向けて順番にパフォーマンスが行われ、それ以外の部族は前日同様にフィールド内で自由にパフォーマンスを続けています。観客席からは全体を見渡すことが可能です。
チケットは事前購入が必要で、フェスティバルのツアーに含まれていることが多いです。会場周辺は混雑しますが、パプアニューギニアならではのエネルギッシュな雰囲気に包まれる特別な体験となります。
※開催時間について
私は毎朝9時に会場に入っていましたが、部族たちは気ままに入ってくるので、賑わうのは10時以降。正確な開催時間はよくわかりませんでした。そしてほとんどの外国人観光客は14時前に開場をあとにします。
14時を過ぎると、ローカルの人たちが入ってきて、会場内はちょっと騒然とした雰囲気に。とくに毎年最終日のエンドには暴動が起こるようで、14時に開場を出た後、16時くらいに開場のそばを通りかかったら、警察とドンパチやってました・・・。
安全のためにも14時前には会場を出たほうがよいです。
参加部族の紹介
マウントハーゲンフェスティバルには100ちかい部族が参加し、それぞれが独自のスタイルでパフォーマンスを披露します。ここでは特に印象的な部族を紹介します。
①フガマガ族(Huli Wigmen)

フガマガ族は「ウィッグマン:かつらの男たち(Wigmen Singsing)」として知られ、自らの髪で作った大きなかつらをかぶることで有名です。
彼らは若者期に隔離生活を送り、厳格な修行の末に立派なかつらを完成させます。顔には鮮やかな黄色や赤のペイントを施し、極彩色の羽根で飾った姿は一目で分かります。
ダンスでは力強い掛け声とともに、槍を手にリズムを刻みながら円陣を組んで進むのが特徴です。
ウィッグマンの登場は観客から最も大きな歓声を集める瞬間の一つで、マウントハーゲンフェスティバルの象徴的な存在となっています。
②アサロ族(Asaro Mudmen)

パプアニューギニア東部高地地方に住むアサロ族は、精霊や祖先を模した独特の伝統で知られる文化集団。「マッドマン:泥人間(The Asaro Mudmen)」の愛称で知られ、恐ろしい表情をした泥製の仮面をかぶり、全身に白い泥を塗って登場します。
彼らの伝説によれば、戦いで敗北した際に敵を脅かすため、この姿を考案したといわれています。ゆっくりとした独特の動きと不気味な雰囲気は、他の部族のエネルギッシュな踊りと対照的で、観客に強烈な印象を与えます。仮面は部族ごとに微妙に形が異なり、アートとしての価値も高いとされます。
写真映えすることから、観光客にとって特に人気のパフォーマンスのひとつです。
③シンシン族(Sing-Sing groups)

シンシンとは「歌い踊る集団」の意味で、特定の部族ではなく、複数部族による合同パフォーマンスを指します。
彼らは太鼓や笛を鳴らしながら、鮮やかなコスチュームで大人数のダンスを披露。特に女性たちのビーズ装飾や草スカートは美しく、男性の力強い太鼓のリズムと対照をなしています。
シンシンの舞台はフェスティバルのクライマックスを飾ることも多く、観客を巻き込む一体感が魅力です。
④エンガ族(Enga Tribe)

エンガ族はパプアニューギニアで最大規模を誇るハイランド部族のひとつです。彼らの衣装は羽根飾りと鮮やかな顔のペイントが特徴で、大人数で一糸乱れぬ踊りを披露します。
特に太鼓のリズムに合わせて円形を作り、統率のとれた動きを見せる姿は迫力があります。エンガ族のパフォーマンスは団結と誇りを示すもので、観客に強烈な印象を残します。
Sangai Singsing Group: Wild West Boys サンガイ・シングシング・グループ:ワイルド・ウェスト・ボーイズ
⑤メルパ族(Melpa Tribe)

マウントハーゲン周辺に住むメルパ族(Melpa Tribe)は、この土地のホスト的な存在です。
彼らの伝統衣装は色鮮やかな花や草をふんだんに使ったもので、自然との調和を象徴しています。顔や体のペイントには赤・白・黄色が使われ、部族ごとに異なる模様が施されます。
地元ならではの踊りと歌はフェスティバルの中心的な演目となり、観客を大いに盛り上げます。
⑥コロぺ(Korope Kingul Jiwaka)

コロぺ(Korope Kingul)は正式には部族ではなく村のシンシングループの名前。
いろいろな部族と同じ感じの服装でありながら、全員がすごくスタイリッシュで印象に残ったグループでした。
⑦森の妖精のような部族

シンシン+メンディ・ムクノ・ママ+ルファ・ママ(similar tribes but from different regions: Tuka Cultural Singsing + Mendi Mucuno Mama + Lufa Mama)など、3つの類似した部族たちはそれぞれ異なる地域出身。
自然と合体したようなトゥカ文化は、まるで森の妖精のような雰囲気で個性が光ります。

「Ghost Dancers」などとも呼ばれるハイランド地方のグループ で、特に特徴的なのは 体に白い灰や粘土を塗り、頭に苔や草をかぶるスタイルです。
Jiwaka州やChimbu州周辺の部族 がよく披露しており、「森の精霊」「祖先の霊」を象徴しています。
子どもたちが参加することも多く、観客からは「スピリット・チルドレン」「フォレスト・フェアリー」と呼ばれることもあります。
⑧ジワカ族(Jiwaka)

Jiwakaの部族は葬送儀礼や戦士を表すときに、全身を黒く塗って登場します。森の妖精スタイルと対照的に、「死」や「戦い」を強調しており、死や夜の精霊を表しています。
全身を黒塗りにするスタイルは、戦士の威圧感を出し、かつ祖先とのつながりを象徴しているのだそうです。
⑨バンドマンたちの部族

エンジンの部品(車のホイールリム、燃料タンクの胴体、オイル缶など)、竹を使った伝統楽器をドラム代わりにし、サンダルやスリッパでリズムを叩く「Bamboo Band(竹バンド)」。
「Stringband」とは別物でギター主体のストリングバンドに対して、こちらは完全に打楽器中心の「ジャンクバンド」。
ノリもよく、周囲を踊るダンサーも抜群で楽しいパフォーマンスを披露してくれます。
⑩その他盛りだくさん!

数あるフェスティバルの中でも一番盛大といわれるMt,Hagen Festivaには、何百という部族が集まります。それぞれの部族に個性があり、見ていて本当に楽しい気持ちになります。
見ているだけではなく、一緒に詩ttリ、踊ったりできるのもこのフェスティバルのいいところです。
お気に入りの部族を探して、素敵な思い出を一緒に作ってみてはいかがでしょうか。
マウントハーゲンフェスティバルの行き方

マウントハーゲン(Mount Hagen)へは、首都ポートモレスビー(Port Moresby)から国内線で約1時間半。Air NiuginiやPNG Airが就航しています。
フェスティバル期間中は航空券やホテルが早々に満席になるため、半年前からの予約が推奨されます。
空港から市内中心部までは車で20分程度。安全面を考慮し、ホテル送迎やツアーを利用するのが安心です。

Lapinの耳より情報:私の場合は、ポートモレスビーからMt.Hagenまで飛行機、Mt.HagenからGorokaまで車で移動して、Gorokaから飛行機でポートモレスビーに戻りました。
なぜかいというと、
・ニューギニア航空は往復割引がないので、片道切符の組み合わせでも費用に大差がない。
・Mt.Hagen ~ Goroka間の景色が素晴らしい。
・道中に有名なコンゴコーヒーの工場があり、見学&買い物ができる。
などの理由からです。
そしてGorokaのマーケットは観光客向けでカラフルなバックやアクセサリーなどが買いやすいこと、博物館もあること、などもGorokaに立ち寄った理由です。
Goroka Festivalは9月中旬なので、そちらのフェスティバルに行く人はこの逆ルートをおすすめします。
マウントハーゲンフェスティバル周辺の観光

マウントハーゲン周辺では、ハイランド地方の村訪問やコーヒープランテーション見学が人気です。
パプアニューギニアは高品質のコーヒー産地として知られ、現地での試飲は格別。日本でも人気のあるマウントハーゲンのカフェインレスコーヒーも、こちらでは安く購入できます。
また、近郊には美しい渓谷や滝も点在し、自然豊かな景観が楽しめます。
・ハイランドのランドスケープ
・コンゴコーヒー
・ゴロカミュージアム
・ゴロカマーケット
観光中のマナーや便利な持ち物リスト
観光客が部族の写真を撮影する際は、笑顔で挨拶をしてから撮ると好印象です。
チップを求められることはほぼありませんでしたが、たまに水や飲み物、ドネーションをねだられる場合もあるので、小額の現金を用意しておくと安心です。
これは断ってもしつこくされることはないので、自分の気持ちのままに。
便利な持ち物は以下の通り。
・日焼け止め、帽子、サングラス
・雨具(突然のスコールに備える)
・現金(クレジットカードはほぼ使えない)
・モバイルバッテリー(充電環境が限られる)
・虫よけスプレー
マウントハーゲンフェスティバルの注意事項

パプアニューギニアは治安に不安があるといわれている地域です。特に夜間の外出は避け、必ず信頼できるガイドやツアーを通じて行動しましょう。
とくに会場は、14時以降はチケットを持たない一般ローカルにも開放されるため、一気に人が多くなり、騒然とした雰囲気になります。その前には会場を出るようにしてください。
会場周辺は混雑するため、スリや置き引きにも注意が必要です。また、日差しが強く、標高も高いため、日焼け止めや帽子、水分補給を忘れずに。
Lapinの旅行記:マウントハーゲンフェスティバル編

パプアニューギニアの数あるフェスティバルの中でもGoroka Showと並んで有名な「マウント・ハーゲン・フェスティバル」(Mt. Hagen Cultural Show)へ。
かつては部族間の緊張を和らげ一体感を促す目的があったそうですが、今では国内外に開かれた伝統文化の舞台となり、ローカルも観光客も一緒になって楽しめるイベント。
部族の多彩なパフォーマンスは,普段控えめな私?でさえもリズムをとってしまうノリの良さ。時には仲間に入れてもらって一緒に歌ったり踊ったり^_^
ハイランダー文化を代表する複数の部族(チンブ、ジワカ、エンガ、フリ族など)をはじめ、100近い部族が色鮮やかな“シングシング”(文化的なダンスと歌)を披露するさまは圧巻の一言。
部族によっては裸族もいて、胸をさらけ出しているところもあるけれど、それって部族の文化だし、いやらしくはなく美しい。
なのに、facebookにその画像を載せるとAIでいかがわしいと判断されて削除されてしまったものもちらほら。
AIが文化や芸術を理解し判断できるようになるのはまだまだ先か。
いくら紹介しても仕切れないパプアニューギニアの多様な高地部族文化を、まとめて体験できる希少な機会に立ち会えたことに感謝。
伝統衣装、歌と踊り、地域のスモール風習、料理、クラフト、自然の景観が一体となったまさに文化の祝祭。
いつかまた訪れる機会があるといいな。
マウントハーゲンフェスティバル観光のまとめ

マウントハーゲンフェスティバルは、パプアニューギニアの多様な部族文化を一度に体感できる貴重な機会です。
世界中の旅行者を魅了する色鮮やかなパフォーマンスは、一生の思い出になること間違いなし。
治安や準備には注意が必要ですが、それを上回る感動が待っています。大自然と伝統文化の融合をぜひ現地で体験してください。
※当記事の情報は実際に旅した際の体験と、調査時点の情報をもとに執筆しています。
可能な限り正確を期していますが、万が一情報に誤りや更新漏れがある場合は、
お手数ですが「https://tabilapin.com/contact/」よりご連絡いただけますと幸いです。
確認の上、迅速に対応・修正いたします。

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