
ソロモン諸島の絶景!ロデリック湾に眠る沈没船ワールドディスカバラー号へ
目次
Toggle青いラグーンと緑の熱帯林に囲まれたロデリックベイ(Roderick Bay)。この小さな湾は、ソロモン諸島の中でも特に印象的な場所のひとつです。
湾の中央には、25年以上も前に座礁したクルーズ船ワールドディスカバラー号(MS World Discoverer)が今も静かに眠っています。
カヌーで船のそばを通ると、まるで時間が止まった異世界に迷い込んだかのよう。潮風に錆びた巨大な船体は、朽ちながらも堂々とした姿を保ち、自然と融合するようにこの湾の一部となっています。
文明の遺物と自然が共存する、まさに「記憶に残る風景」です。
World Discovererとは?

「MS World Discoverer」は、かつて南太平洋や極地を巡る探検クルーズ船として活躍していた客船です。建造は1970年代後半、頑丈な船体とスタイリッシュなデザインで知られ、多くの旅人を世界各地へと運びました。
しかし2000年4月、航行中に暗礁に衝突。船長の判断で、乗客乗員を守るために自らロデリックベイに座礁させました。幸い犠牲者は出ず、全員が無事に避難しています。
それ以来、船は引き上げられることなく、現在も湾の中央に横たわり続けています。
時間の経過とともに錆び、緑に覆われ、まるで自然の一部になったようなその姿は、訪れる人々に強い印象を残します。
ロデリックベイはどこにある?

ロデリックベイは、ソロモン諸島のフロリダ諸島(Florida Islands)に位置しています。
首都ホニアラ(Honiara)があるガダルカナル島の北東沖に浮かぶ入り江で、穏やかなラグーンと小さな集落が特徴です。
観光地化されすぎていないため静かな環境が保たれており、地元の人々の暮らしや自然の姿を間近に感じられるのも魅力のひとつ。
沈没船の周囲はサンゴ礁が広がり、魚影も濃く、シュノーケリングにも最適です。
ロデリックベイへの行き方

ロデリックベイへ行くには、まず首都ホニアラまでアクセスします。日本からの直行便はないため、ナンディ国際空港(フィジー)やブリスベン経由が一般的です。
私の場合は、マニラ(フィリピン)ーポートモレスビー(パプアニューギニア)ーホニアラ(ソロモン)を経由して行きました。
ホニアラからは小型ボートで約1時間半〜2時間ほど。現地ツアーを利用するか、宿泊施設経由で送迎を手配するのが便利です。
この移動は、ときどきトビウオが飛んだり、イカの群れに遭遇したりと、南太平洋の大海原を満喫できる冒険でもありますが、ボートはかなり揺れる&道のりが長いので覚悟が必要です。

観光インフラはまだ発展途上なので、事前に信頼できるツアー会社や宿を通して移動をアレンジしておくと安心です。
ホニアラから日帰りツアーも出ていると聞きましたが、せっかくならロデリックベイに1泊することをおすすめします。
Lapinの旅行記:沈船「MS World Discoverer」編

ホニアラからロデリックベイまでボート移動。これがなかなか遠かった。
16時を過ぎると海が荒れだすというのに、準備が整わずなかなか出発しない。荷物を詰め込んで出発できたのは18時。すでに夕焼けの時間になりつつある時刻にやっとスタート。
最初はボートに合わせて飛ぶトビウオを見て歓声をあげていたものの、だんだん暗くなり、だんだん海の荒さも増し、移動がだんだん苦痛に。小舟だし、波もかぶりまくり。全身にバケツで水かけられる勢いでとんでくる。
そんな感じでロデリックベイに到着したのはすでに20時過ぎ。結構時間かかった。
暗闇に浮かび上がる沈没船は不気味。でっかい!という印象。
何はともあれこの日は無事ついたことに感謝して、食事をとって早めに就寝。ロッジは沈船の目の前。滞在中、思う存分鑑賞できる絶好のロケーション。

過去にこの船を巡ってドンパチがあったというのを読んだけど、その勝者がこのオーナーファミリーなのかしら?と思いながら、穏やかなみんなからは想像もつかない。
ま、もう20年以上前の話。気にしないでおこう。
余談ですが、ロッジのシャワーはほぼ水が出なかった。ビーチにある蛇口のままのシャワーのほうがストレスなし。
翌朝目が覚めると、まずは部屋から見る沈船に大興奮!おお~!
朝ごはんもそこそこにすぐに散策を開始。朝は少し曇っていて、晴れないかなあ、と言ってたら午後からは運よく晴れ。良かった。
とはいえ、島の天気は変わりやすいので、晴れたと思ったらまた曇ったり。
部屋から桟橋から前方、後方、中央と、あらゆる角度から写真撮影。もうどれだけ写真を撮ったかわからないほど撮りまくり。
ジップラインがあったり、ブランコがあったり、もうきゃっきゃきゃっきゃテンション上がる仕掛けがたくさんあって憎いね、コノ!って感じ。
そしてアクティビティに挑戦!一応ロッジに泊まっている人は全部フリー。
ここのジップラインは、命綱?みたいなのはないので、腕力だけで滑り降り、最後は自らが手を放して海に落ちなきゃいけないという、なかなかファイターなアクティビティ。
でもタダ!好きなだけ飛び込んじゃってください、(笑)
船に上る竹を編んで作った素朴な梯子はちょっとツルツルしてて上りにくい。それをがんばって上っていくと、船の窓やデッキに草木が絡まり、潮風に錆びついた鉄骨を見れます。
雑然としながらもなんだか自然と調和した風景になっていて素敵。
そして船の裏側へはウェイクボードでアクセス。
静かな海を進みながら巨大な船体に近づいていくと、またさらに強烈なインパクト。巨大船が横たわった姿は圧巻です。
なんでもやっちゃおうと欲張りになって、お次はシュノーケル。
船の周囲で楽しむシュノーケリングは、透明度の高い海中に熱帯魚が群れ、沈船のシルエットが幻想的に浮かび上がり、まさに「時が止まった風景」の中を漂う特別な時間。
美しすぎる・・。まるで人間の残した異物を自然が飲み込んで隠そうとしてくれているかのよう。
物語の1ページに入り込んだような1泊2日はあっという間。
強烈なインパクトを与えてくれたMS World Discoverer。
少しずつ自然が形を変えていくのだろうけど、今日見たこの景色は、きっとずっと忘れない。
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ロデリックベイのその他の見どころ

ロデリックベイは沈没船だけでなく、自然とローカル文化も魅力です。
オーナーさんファミリーがローカルツアーを開催しているので参加してみました。こちらは有料(チップ程度)です。
周辺の集落では、素朴な暮らしぶりや受け継がれてきた薬草の知識を学ぶことができました。
裏手の丘を登れば反対側を望めるパノラマの景色が広がります。また、ラグーンを囲む熱帯林ではバードウォッチングや軽いハイキングも楽しめます。
斜面で作るバナナやタロイモの畑もなかなか良かったです。
観光客が少ないため、現地の人との距離が近く、温かい歓迎を受けられるのもこの地ならでは。
ロッジのすぐ裏にはオーナーファミリーが住んでいて、のんびりゆったり過ごしているのが微笑ましかったです。
ロデリックベイの宿泊

ここには高級リゾートはありませんが、エコロッジがあります。簡素ながら清潔な部屋と、地元料理でもてなされる温かい宿泊体験が魅力です。
また、ホニアラからの日帰りツアーも可能ですが、夕方のロデリックベイは特に美しく、泊まることで静寂の中に沈む沈没船の幻想的な姿をゆっくり堪能できます。
ロデリックベイの宿泊連絡先

宿泊の際は、事前予約と送迎の手配が必須です。
Roderick Bay Beach Bungalow
電話:+677 7484172
メールアドレス:roderickbay094@gmail.com
※返事がくるまでにかなり時間がかかるので、余裕をもって計画を!
ロデリックベイは何泊必要?

滞在は1泊で十分。写真を撮りたいだけなら2泊は不要です。
絶対晴天で写真撮りたい!静かな海でのんびりしたい!ってことなら数日泊ってもいいと思いますが、私は1泊2日で十分と感じました。
ネットはほぼ使えず、電気も停電してたので、朝、発電機で充電した感じです。
ロデリックベイ観光まとめ

25年以上静かに眠る沈没船「World Discoverer」は圧巻でした。
観光地化されすぎていない自然豊かな入り江と、そこに暮らす地元の子どもたちのたくましさが微笑ましい場所です。
ホニアラからボートでアクセスできるものの、なかなか荒々しい海を片道2時間近くかけて移動する必要があり、簡単に行ける、とは言えませんが、行く価値はあります。
ロデリックベイは、観光名所というより「時が止まった風景」に出会える特別な場所。沈没船の姿と、自然に包まれた静寂の時間は、訪れた人の心に深く刻まれることまちがいなしです。自信をもっておすすめします!
※当記事の情報は実際に旅した際の体験と、調査時点の情報をもとに執筆しています。
可能な限り正確を期していますが、万が一情報に誤りや更新漏れがある場合は、
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確認の上、迅速に対応・修正いたします。

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