
ブータン旅行記|幸せの国へ行ってみた。費用や現地の生活をレポート
目次
Toggle~Country of the happiness, Bhutan~
世界一幸せな国、ブータン。
美しい自然と仏教文化あふれるヒマラヤの奥地、 そこは古き良き時代の日本を彷彿するような、どこか懐かしい国でした。
ブータンに入国!

ネパールから空路ブータンへ。
ヒマラヤ山脈を見下ろしながらのダイナミックな風景に、気分は早速最高潮。山にぶつかってしまいそうな空中飛行にワクワクが止まりません。
ブータンの民族衣装

出迎えてくれたのは、民族衣装に身を包んだガイドさんたち。
着物を短く切ったような男性の民族衣装ゴ(Gho)。サリーとと着物を足して割ったような女性の民族衣装キラ(Kira)。
その姿がのどかで美しい景観とマッチしていて、到着した瞬間に「懐かしい」という優しい思いと、「ただいま」という安心の思いが湧いてきました。
私のガイドさんたちではないけど、「写真を撮ってもいい?」と聞くと気軽にOKしてくれて、この満面の笑顔。癒されます。
ブータンと日本の皇室

ブータンと日本は親交も深く友好国の1つ。 皇室と王室の絆も深く、2017年には眞子さま、2019年には秋篠宮ご夫妻と悠仁さまが訪問されています。
私のガイドさんは事あるごとに眞子様が訪れた時の話をしていました。
美しい笑顔の人だったと、ブータンのみんなから好印象を持たれており、自国のプリンセスのことのように幸せであることを願ってくれていました。
国同士の関係が良好なことを、とても喜ばしく思います。
タクツァン僧院までのハードな道のり

ブータンと言えばタクツァン僧院(Tiger’s Nest Monastery)と言っても過言ではないほど、ブータンの写真に必ず出てくるこの寺院。
見ただけでもわかる通り、なぜそんなところに?というような崖にあり、ここへ行くまでの道のりがハード!
こんなところにどうやって材料を運んだのか、本当に体力あり過ぎ
私はたどり着くまでに4回も転んでしまいました。

中腹までは馬でも行けるとのことで、私は迷わず馬をチョイス。情けないですが、高山病にかかりやすく登山はあまり自信がありません。
無理は禁物!
ガイドさんから眞子さまは自分の足で最初から最後まで登ったよってめっちゃ言われましたが、彼女はまだ若かったでしょ!と押し切り馬に。(笑)
人は人です。利用できるものは使用しないと。

とはいえ、馬で行けるのはちょっとだけ。結局大部分は自分の足で歩くしかありません。
結構、山あり谷あり段差あり。挫折しそうになりながらも周りの絶景に励まされ、歯を食いしばって歩きます。
こんなとき一人でよかった、と思います。グループだとペースを合わせなかきゃ、とか、おいて行かれる!とかいろいろ考えてしまいそう。

道中には人々の小さな願いや祈りがそっと置かれていたり

人の顔が彫られたものや宗教画が描かれていたり、この山そのものが全体的にスピリチュアルな雰囲気に包まれています。
なので、宝物探しのような気持ちで焦らずゆっくり、自分のペースで登りましょう。

この景色が見えてきたらあともう少し。
なのになぜ最後にまた下るー!
せっかく真正面に見えているのに、ここからちょっと下って、コーナーにある滝を曲がってから最後の上り坂になります。
滝でリフレッシュして一気に駆け上ります。

上り始めて約2時間、無事に寺院に到着です。
アップダウン結構激しくてまあまあ疲れました。でもその分、到着した爽快感はひとしお。
ちなみに、寺院についてしまったらそれほど撮影映えはしないかな(笑)ここにくるまでの道のりが観光のハイライトで、対岸にいるときの最後のコーナーが一番の撮影スポットだと思います。
そしてまた来た時と同じ道を帰るのですが、帰り道はわりとすいすいでした。
ブータンの生活

ブータンの日常生活に入り込みたい!というリクエストに応えてもらい、農家さんの家にお邪魔させてもらいました。
ブータンの旅はオールインクルーシブになるので、旅行前になにをしたい、どこに行きたい、をしっかりリストにして希望をガイドさんや旅行会社に伝えておきましょう。
訪問早々、お茶を囲んでみんなでおしゃべり。床にぺたっとするのが心地よい感じ。

いただいたのは、「スジャ(バター茶)」という、お茶のようなミルクのようなバターのような少ししょっぱい感じのティー。好き嫌いあるかもだけど、私は好き。
そしてブータンの定番、茶を飲む際に必ず出てくる「ザオ(お米を揚げた「あられ」のようなもの)」とポップコーン。
そのまま食べても良し、ティーにいれても良し。私はそのままいただきます。

ブータンの家は、キッチンも応接間もシンプルで清潔で機能的。生活に家族の温度を感じられる空間で落ち着きます。
ブータンもモンゴルとかキルギスのように素朴で牧歌的な雰囲気。あるがままを受け止めて無理せず生きる、というような「尊さ」を感じずにいられない場所です。
※あくまで私の個人的感想。

おもてなしのお礼に子どもたちに折り紙を教えましたが、覚えが早い!
というか、すでに折鶴の作り方を知っていました。すごい!
以前、学校で習ったことがあるのだそうです。ここでもまた、本当に友好国なんだなあと改めて感じました。
伝統の石焼き風呂ドッツォ

そしてここに来た最大の目的!伝統の「石焼き風呂ドッツォ」に入浴チャレンジ!
昔ながらの入浴方法で、向こう側に焼いた石を入れてお湯にしていきます。
柵の向こう側から、「湯加減どお?」と聞かれて「ちょどいい」とか「もうちょっと熱く」とか、やり取りも楽しい時間。久しぶりの湯船に癒されました。
日本の薪のお風呂もこんな感じだったのかな?
ブータンの学生たちと交流

シンプリー・ブータン(Simply Bhutan)には、ブータン・ユース・デベロップメント・ファンド(Bhutan Youth Development Fund)というブータンの若者支援を目的に活動する公益団体があり、教育・スポーツ・芸術を通じた人材育成を行っています。

ティンプーではその活動の一環として、地元の若者が案内する文化体験や伝統工芸のワークショップが体験できます。
ブータンの未来を担う若者たちの真摯な姿勢に触れられる、意義ある交流スポットです。

学生さんたちが踊ってくれたり、お茶を入れてくれたり。
伝統工芸の作品作り体験や弓矢を実際に射ったりすることもできます。

なんだかんだで私はこのスポットが一番好きでした。
やはり学生さんたちと実際に交流したり、ブータンの説明をしてもらったり、素直な意見交換をしたり、得るものがすごく多かったです。

幸せの国の学生さんたちは、みんなブータンが大好きだと言ってました。
もちろんそれぞれ悩みや問題はあると思います。ですが、みんなが笑顔でそう自信をもって言い切れるのは良いなと感じました。
ずっと祖国を誇りに思い、幸せに暮らして欲しいと心から願います。
ブータンの食文化:唐辛子とビール

ブータンに来てまず驚かされるのが、唐辛子の存在感。国民食とも言える「エマ・ダツィ(Ema Datshi)」はその代表格の1つ。
素朴な見た目とは裏腹に、唐辛子をチーズで煮込んだだけのシンプル料理なのに、驚くほどクセになる味わい。辛さの奥に、チーズのコクと香りが広がります。
他にも、じゃがいもやきのこを使ったダツィ系(イセワ・ダツィ、シャモ・ダツィ)や、炒めた豚肉「パクシャ・パ(Paksha Paa)」、モモ(チベット風餃子)など、チベット料理と南アジア料理のいいとこ取りのようなメニューが並びます。

また、意外だったのが、ブータン産クラフトビールの存在。代表的なのが「レッド・パンダ(Red Panda)」という地ビールで、標高の高いブルワリーで作られているせいか、飲み口がまろやかで軽やか。辛い料理との相性も抜群です。
その他にも「ブータン・スーパーストロング」や「ドラゴン・ブリュー」など、個性的な銘柄が充実しており、食事と一緒に地元の味を楽しめるのも旅の楽しみのひとつです。
また、多くのレストランでは観光客向けに辛さ控えめにアレンジされているので、辛さが不安な方でも大丈夫。地元市場では乾燥唐辛子やチーズ、お茶などのローカル食材も手に入るので、お土産にもおすすめです。
幸せの国ブータンの由縁

GNH「国民総幸福量(Gross National Happiness」をコンセプトにしているブータン。
実際には雇用不足などで若者層の不満が募っているとも言われていますが、出会う人々、道行く人々はみんな穏やかな笑顔をたたえており、殺伐とした雰囲気は全くありませんでした。
国民総生産(GDP)を重視する他国と違い、ブータンのGNHは、環境と文化を守り、良き統治を目指し、持続可能な社会・経済の発展を追求するもの。
ここ最近、どこの国も企業もSDGSを謳うようになってきましたが、ブータンは根本の姿勢がずっとそうでした。この精神と物質の両方の豊かさのバランスを取ろうというこの観点は世界から称賛されています。
変化や競争の激しい世界の中で、この理想を貫くことは決して簡単ではなく、解決しなくてはいけない問題もたくさんあると思います。ですが、国民の幸福が経済成長よりも重視される「最後の理想郷」と言われるこの国の理想が貫き通されることを祈りたいです。
ブータン旅行はビザとパッケージツアーの手配が必須

ブータンを観光目的で訪れるには観光ビザの取得が必須であり、原則として現地の公認旅行会社、または提携旅行代理店を通じたパッケージツアーの利用が求められます。個人で航空券やホテルだけを手配するような自由旅行(個人手配旅行)は原則認められていません。
また、ブータン政府は持続可能な観光を目的として「サステイナブル開発費(SDF)」という制度を導入しており、2025年時点では観光客1人あたり1日100米ドルが課されます。この費用には環境保護や教育・医療などへの支援金が含まれています。
ビザの申請やSDFの支払い手続きは、旅行会社が代行してくれるため、旅行者自身が難しい手続きを行う必要はありません。信頼できる旅行会社を通じてツアーを予約すれば、スムーズに渡航準備が進められます。
ブータンの旅行費用はいくら?

オールインクルーシブになるため、ブータン旅行費用は他の国よりもやや高め。
いろいろなところで見積もりを取り、ブータン旅行の費用目安を2泊3日〜7泊8日までの日程別にまとめました。
時期や人数によって大きく変わると思いますが、目安として計画の参考にしてください。すべて2025年時点の制度(1日あたり100米ドルのSDF)と、一般的なミッドレンジのパッケージツアー費用をもとにした概算です。
これはブータン発着での見積もりなので、日本とブータンの往復航空券は含んでいません。費用には、宿泊・食事・専用車での移動・英語ガイド・入場料・ビザ申請代行・SDFなどが含まれます。
◉ 2泊3日の費用目安
約11万円
短期でも人気のパロとティンプーを巡るモデル。時間が限られている分、移動は少なめ。内SDFは300米ドル(100×3日分)。
◉ 3泊4日の費用目安
約15万円
パロ・ティンプーに加え、ドチュラ峠やプナカまで足を延ばす定番コース。パロ・タクツァンの登頂も含めれば充実度が高い。内SDFは400米ドル。
◉ 4泊5日の費用目安
約20万円
トンサやガサ、ポブジカ渓谷など地方部への訪問も視野に入る日程。より深い文化体験や自然散策が可能。内SDFは500米ドル。
◉ 6泊7日の費用目安
約26万円
西ブータンから中央部までじっくり回る旅。ホームステイや村での体験、僧院滞在なども組み込める。内SDFは800米ドルと高額だが、滞在価値は高い。
【補足】
航空券(バンコクやデリーなど経由)は別途必要で、往復で約8〜12万円程度が目安。
旅行費用は参加人数が多いほど1人あたりの単価は安くなる傾向にあります。
日本語ガイドや高級ホテルを希望する場合、さらに費用が上がります。
以下のサイトが最安値、かつ2泊3日から6泊7日まで日数で選べて料金も明確なのでおすすめ。私は今回は4泊5日をチョイスしました^^
ただし、表示料金にはSDFが含まれてないので、備考に記載している泊数別のSDF金額を足したものが最終の旅行費用となります。
ブータン旅行記のまとめ

我先にとガツガツ生きることよりも、急ぐだけじゃない、成長だけが全てではないと教えてくれたブータン。
少し力を抜いて、今ある身の回りのたくさんの幸せ1つ1つに、ゆっくり感謝する時間を持ちたいと思いました。
みなさんも、ぜひ幸せの国ブータンで、自分のもっている幸せについて見つめ直す素敵な旅を体験してみてください。
Pray for the Bhutan
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