
バングラデシュってどんな国?治安や歴史など旅行前に知っておきたい基本情報【2026年度版】
目次
Toggleバングラデシュ(Bangladesh)は、インドとミャンマーに挟まれたベンガル湾沿岸の国で、肥沃なガンジス川–ブラフマプトラ川デルタに広がる「川の国」です。
人口は約1億6千万人に上り、世界でも人口密度が非常に高い国の一つ。急速な経済成長とともに、豊かな自然、多様な文化、混沌とした都市生活が混在しており、観光目的でもビジネス目的でも興味深い場所です。
しかし、一方で洪水・サイクロンなど自然災害のリスク、衛生・交通事情、治安管理の難しさなど、旅行者が注意すべき点も少なくありません。
本記事では、ビザ情報から治安・気候・交通事情、旅行前の必須準備まで、2026年の観光を見据えた最新かつ実用的な情報をまとめました。
バングラデシュの基本情報

正式国名:バングラデシュ人民共和国(People’s Republic of Bangladesh)
位置:南アジア。南はベンガル湾、他は主にインドに囲まれ、南東部でミャンマーと国境を接する。
時差:日本より約 −3時間(標準時間。サマータイムなし) ※渡航時期により若干異なる可能性あり。
首都:Dhaka(ダッカ)
国旗:緑地に赤い円(中央にやや左寄り) — バングラデシュ国旗
人口:約1億6,500万人前後(世界でも人口の多い国のひとつ)
言語:主にベンガル語(Bengali)、英語も司法・教育の場で広く使用。
通貨:タカ(Bangladeshi Taka)
宗教:約9割がイスラム教徒(主にスンニ派)、少数派としてヒンドゥー教、仏教、キリスト教なども。
コンセントタイプ:電圧240 V、プラグは主にタイプ G(英国式3ピン)とされることが多いため、変換プラグの持参を推奨。旅行ガイドでも「ユニバーサルアダプター(D型またはG型)」を挙げています。
バングラデシュの観光ビザ

日本国籍者がバングラデシュへ渡航するには原則ビザが必要です。
ただし、空港到着時に申請できる「Visa On Arrival(到着時ビザ)」の取り扱いが可能な場合があります。滞在可能期間は最長30日。条件や必要書類があるため、渡航前に必ず最新情報を確認することが大切です。
バングラデシュの大使館情報
在バングラデシュ日本国大使館
住所:Plot # 5 & 7 Dutabash Road, Baridhara, Dhaka-1212, Bangladesh.
電話: +880-2-2222-60010
公式サイト:https://www.bd.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
駐日バングラデシュ大使館
(Embassy of the People’s Republic of Bangladesh Tokyo)
住所:〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-29
電話:03-3234-5801
公式サイト:https://tokyo.mofa.gov.bd/
バングラデシュの場所と行き方
バングラデシュは南アジア、ベンガル湾の奥部に位置し、国内は広大なデルタ地帯や低地平野が広がります。
日本からバングラデシュへは、多くの場合航空機を使います。首都ダッカの空港(Hazrat Shahjalal International Airport)に到着するルートが一般的です。
到着時にVisa On Arrivalを申請する場合があるため、パスポートや滞在日程、往復航空券、滞在先の証明など必要書類をあらかじめ準備しておきましょう。ビザなし入国は原則認められていません。
ダッカから国内各地へは、国内線、バス、車、または船(川沿いやデルタ地帯)などが交通手段です。ただし交通事情や道路状況、災害リスクなどを考慮し、移動計画は余裕を持って組むことをおすすめします。
バングラデシュの治安

バングラデシュでは、都市部を中心にスリ・置き引き・窃盗など軽犯罪が報告されることがあります。女性の単独行動や夜間の外出は慎重にすべきとの注意が、公式にも出されています。特に夜間や人気の少ない道、知らない人に親切を装われた場合には警戒が必要です。
また、国内ではデモや政治集会、宗教行事に伴う混乱が起こることがあり、状況によっては外出制限や安全上の注意喚起が出される場合があります。渡航前および滞在中は最新の安全情報をチェックするようにしてください。
加えて、交通事故のリスクも高いです。交通ルールが日本と異なり、信号無視・割り込み・無秩序な運転が日常化しており、歩行中も危険が伴います。特に夜間の移動や車道近くを歩く際は注意が必要です。
バングラデシュの地理的特徴

バングラデシュの国土の多くは、Ganges Delta・Brahmaputra River・Meghna Riverによって形成された世界最大級のデルタ地帯。国土の約半分は標高6〜7メートル以下の低地で、洪水や河川の氾濫、土壌浸食のリスクが常にあります。
国土の一部には高原・丘陵地帯もあり、北西部の高原地帯、北東から南東にかけての丘陵地帯が広がっています。南東部の丘陵地帯は森林や熱帯雨林に近く、多様な生物が生息する自然豊かなエリアも残されています。
ただし、こうした地形ゆえに洪水、サイクロン(熱帯低気圧)、高潮、河道の変動など自然災害が頻発。国土の多くが水と密接な関係にあり、「川の国」「デルタの国」と言われる所以です。
バングラデシュの歴史

バングラデシュの地域には古くからさまざまな文明や王朝が存在しましたが、近世以降はイギリス領インド帝国の支配を受けました。第二次世界大戦後、1947年のインドの独立とともに分割され、旧東パキスタンとしてパキスタンの一部となります。
しかし言語・文化・政治などの違いから東部では不満が高まり、1971年にBangladesh Liberation War(バングラデシュ独立戦争)が勃発。多くの犠牲を経てバングラデシュは独立し、1971年12月16日に正式に国家として成立しました。
独立以降、バングラデシュは貧困、人口増加、気候・災害リスクなど多くの課題に直面しながらも、経済成長と社会インフラ整備を進めてきました。特に繊維産業の発展、縫製品輸出の成長、海外からの送金などが経済を支える柱となっています。
近年では都市化の進展、教育や識字率の向上、インフラ整備が進んでおり、社会と経済の両面で大きな変化が続いています。
バングラデシュの文化と習慣

バングラデシュはベンガル文化圏に属し、言語・文学・詩・音楽が深く根付いています。古典詩人や民俗詩、現代文学などが盛んで、日常生活のなかに詩的感性が息づいています。
食文化では米と魚が基本。国土を流れる多数の川やデルタは豊かな水資源を提供し、川魚を使った料理、豆スープ(ダル)、野菜カレーなどが一般的です。これらが「魚と米を食べるベンガル人」という言葉に象徴されるほど、日常の食卓に欠かせません。
宗教行事も文化に大きく影響します。イスラム教が主流ですが、少数派としてヒンドゥー教や仏教、キリスト教の信仰もあり、それぞれの宗教行事や祝祭が地域やコミュニティの中で行われています。宗教的背景が多様なため、服装や行動には配慮が求められることがあります。
また、人々は非常に親しみやすく、人情味ある傾向があり、旅人や外国人に対して温かな応対をすることも多いと言われます。ただし、文化・宗教・習慣に配慮し、礼儀を守ることが大切です。
バングラデシュの有名な場所

バングラデシュには、豊かな自然や歴史、文化を象徴する場所が数多くあります。
南西部の湿地帯とマングローブ林地帯には、稀少な動植物の宝庫が広がっています。デルタや河川に囲まれた地形ゆえ、水上の移動・景観も特徴的。
東部や南東部の丘陵・森林地帯は熱帯雨林に近く、豊かな自然環境と少数民族文化が残る地域もあり、都市部とは異なる静かな風景が広がります。
首都ダッカや港湾都市では、近代都市の喧騒と伝統的街並みが混在。市場や路地、川岸など、生活感あふれる風景が旅の魅力となります。
もっと詳しくバングラデシュの観光についてを知りたい方は、
▶バングラデシュ観光で行ってよかったスポット9選!世界遺産やモデルコースを詳しく紹介 の記事もチェックしてみてください。
バングラデシュの有名な食べ物

魚と米:川魚料理は非常にポピュラー。米が主食で、魚とともに食卓を彩ります。
ダル(豆スープ):豆を煮込んだスープで、米と一緒に食べられることが多く、日常の食事に欠かせません。
野菜カレーや野菜料理:魚や豆のほか、野菜を使った料理も多く、地域や季節に応じて多様なバリエーションがあります。
豊かな水資源とデルタ地形、川の多さは食文化にも色濃く影響し、「水と緑の国」で育まれた素朴で滋味深い料理が日常に根づいています。
バングラデシュの有名な特産品・お土産

バングラデシュの主な輸出産業は繊維・縫製品で、その品質と価格のバランスから国際的に評価されており、衣類や布地は定番のお土産になります。
また、地方の手工芸品、手織りの布/サリー、伝統的な工芸品や民芸品なども、お土産として人気があります。川の多さゆえに水産物(乾燥魚など)も土産として見られますが、生魚や生鮮食品は衛生管理上注意が必要です。
個人旅行で訪れるなら、ダッカや都市部の市場、手工芸品店、地元のブティックなどを覗いてみると、安価でユニークな雑貨や衣類、お土産を見つけられるでしょう。
バングラデシュのホテル事情
バングラデシュの都市、特にダッカなど大都市にはホテルが多く、外国人向けホテルやゲストハウス、ホステルなど選択肢があります。ただし、都市の混雑、交通事情、インフラの限界などにより、ホテルの質や設備、サービス内容にはばらつきがあります。
特に水回り、衛生、空調、断水・停電などに関しては、ホテルでも不安が残る場合があります。予約する際は、宿泊サイトでレビューをよく確認しましょう。大都市の国際水準ホテルから、中級〜低価格帯のゲストハウスまで様々です。予約サイトで早めに押さえるのがおすすめです。
旅程が未定な場合でも、特に雨季や観光ハイシーズンは宿が混みやすいため、余裕を持って計画を立てると安心です。
バングラデシュの交通事情

国内の主要交通は、バス、国内線航空、車、川・フェリーなど多様です。ただし、交通マナーや道路状況は日本とは大きく異なり、信号無視、割り込み、無秩序な運転が一般的。歩行者、特に夜間の移動は危険です。
都市部では渋滞が常態化しており、救急対応や交通機関の遅れなども起こりやすいため、移動には時間の余裕を持つことをおすすめします。
また、川やデルタ地帯、湿地の多い地域ではボートやフェリーが使われることもあります。都市〜地方、あるいは島嶼や沿岸部を巡る旅行では、事前に交通手段と安全状況をよく確認したうえで計画を立てると良いでしょう。
バングラデシュの気候

バングラデシュは熱帯モンスーン気候に属しており、季節は主に以下のように分けられます。
乾季(11月〜3月):比較的穏やかで乾燥した気候。観光には比較的快適。
暑季(3月〜5月):気温が上昇し、湿気も増す時期。体への負担が大きいため、日中の外出は控えめに。
雨季・モンスーン期(6月〜10月):年間降水量の多くがこの時期に集中。洪水、サイクロン、豪雨、高潮など自然災害のリスクが高まる。特に沿岸部やデルタ地帯、低地では注意が必要。
旅行時の服装は、軽く通気性の良い服装が基本。雨具や防水アイテム、折りたたみ傘などを準備するのが賢明です。モンスーンや洪水の可能性がある地域では、旅程を柔軟にしておくと安心です。
旅行前の予備知識

両替: 現地通貨はタカ。日本から持参する場合は日本円を両替できるところが限られるため、空港やダッカ市内の銀行・両替所での両替が一般的。クレジットカードも使える場所は増えているが、現金が必要な場面が多いためある程度の現金を持つのが安心。
予防接種: 渡航前に、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、狂犬病、日本脳炎などのワクチン接種を検討することが推奨されています。特に地方を訪れるなら重要です。
SIMカード/通信: 都市部ではモバイル通信が可能で、プリペイドSIMを現地で購入できることもあるようですが、場所や時期によって通信品質のばらつきがあります。
私の場合、インドから陸路でクルナに入ったのですが、バングラデシュの身分証がないと買えないと言われたためホテルの方に買ってもらいました。滞在先や移動先を念頭に入れ、事前に調べておくとよいでしょう。
インターネット環境: 都市やホテルではインターネット/Wi-Fiが使えることもありますが、地方や交通の便が悪い地域では通信が不安定な場合もあるため、オフラインマップや代替手段を準備するのがおすすめ。
旅行での注意事項

政治集会、デモ、宗教行事など、人が集まるイベントには注意。急な情勢変化や混乱が起こることがあるため、近づかない、夜間の不要な外出を控えるなど配慮を。
衛生面・食事水には十分注意。生水や氷、生ものは避け、飲食はできるだけ信頼できる店・場所で。特に雨季は衛生状況が悪化しやすいため注意が必要です。
外務省
交通事情が厳しい。歩行者保護の意識が低い、無秩序な運転が多い、救急対応が遅れがち、などの理由から夜間移動や歩行は慎重に。公共交通のスケジュールや安全性も把握しておくこと。
自然災害(洪水・サイクロン・高潮など)への警戒。特にデルタ地帯・低地・沿岸部を訪れる場合は、現地の天候情報・警報に注意し、避難経路や対応を確認しておくこと。
文化・宗教・服装・習慣への配慮。イスラム教徒が多いため、特に地方や宗教的慣習の強い地域では服装・振る舞いに注意するのが望ましい。
バングラデシュ旅行のまとめ

バングラデシュは「川とデルタの国」として、豊かな自然、肥沃な土地、そして多様な文化と歴史を持つ国。人口密度の高さ、経済成長、都市化の進展とともに、伝統や暮らし、自然との共存が複雑に折り重なっています。
旅行者にとっては、魚と米の食文化や手工芸、民族音楽、詩や文学、そしてデルタ地帯や川沿いの景観など、ほかでは味わえない体験が多くある一方で、気候・衛生・治安・交通・自然災害といった多くのリスクにも注意が必要です。
バングラデシュを訪れるなら、事前の準備と情報収集、現地での慎重な行動が不可欠。適切な準備と心構えをもって臨めば、この国ならではの魅力ある旅ができるはずです。
※当記事の情報は実際に旅した際の体験と、調査時点の情報をもとに執筆しています。可能な限り正確を期していますが、万が一情報に誤りや更新漏れがある場合は、お手数ですが「https://tabilapin.com/contact/」よりご連絡いただけますと幸いです。確認の上、迅速に対応・修正いたします。
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