
レソトってどんな国?治安や寿命が短い説まで、旅行前に知っておきたい基本情報
目次
Toggleレソト王国(Kingdom of Lesotho)は、南部アフリカに位置し、南アフリカ共和国に完全に囲まれた内陸国。「アフリカのスイス」とも称される美しい山岳地帯が広がり、独自の文化と歴史を持つ国です。
自然の絶景や独特の伝統文化を堪能できるレソトは、私の中で数ある魅力的な国の中でも特に忘れられない国のひとつになっています。
レソト旅行を計画する方たちの参考になると嬉しいです。
レソトの基本情報
正式国名:レソト王国(Kingdom of Lesotho)
位置:南部アフリカ、南緯約30度、東経28度付近
時差: 日本との時差は-7時間
首都: マセル(Maseru)
国旗: 青、白、緑の三色旗で、中央に黒いバソト帽(モコロティ)が描かれています
人口: 約220万人
言語: 公用語はソト語(Sesotho)と英語
通貨: ロティ(Loti、複数形:マロティ(Maloti)、通貨コード:LSL)
宗教: 主にキリスト教(ローマ・カトリック、プロテスタント)
コンセントタイプ: タイプM(電圧:230V、周波数:50Hz)
レソトの観光ビザと大使館情報

レソトのビザ
ビザについて日本国籍の旅行者は、観光目的で90日以内の滞在であればビザは不要です。ただし、パスポートの有効期限が滞在期間中十分であることを確認してください。
レソト大使館情報
在レソト日本国大使館
レソトには日本大使館が設置されていません。在南アフリカ共和国日本国大使館が兼轄しています。
住所: 259 Baines Street, Crn Frans Oerder Street
Groenkloof, Pretoria, 0181 Republic of South Africa
電話番号: +27 12 452 1500
公式サイト: 在南アフリカ日本国大使館
駐日レソト王国大使館
住所: 東京都港区赤坂7-5-47 U&M赤坂ビル1階、3階
電話番号:03-3584-7455
公式サイト: https://www.facebook.com/lesothoembassytokyo/
レソトの平均寿命は世界一短いって本当?

人口よりも家畜の数の方が多いというなんとなく微笑ましい記録があるレソト。ですが、レソトは世界で最も平均寿命が短い国の一つといわれています。ここではその実態と原因を解説します。
レソトの平均寿命
2024年に世界保健機関(WHO)が発表したデータによれば、レソトの平均寿命は51.5歳と報告されています。これは世界的に見ても低い水準です。
世界保健機関(WHO)公式サイト:https://www.who.int/
レソトの平均寿命が短い要因
主な要因として、HIV/AIDSの高い感染率(成人の約20%以上が感染)、医療インフラの不足、貧困や栄養不足が挙げられます。
特にHIV/AIDSは深刻な健康問題で、世界で第3位のHIV発症国であり成人の5人に1人がHIV/AIDSに感染しているとされています。2004年にはエイズの影響で平均寿命が35歳まで落ちたこともありました。
政府や国際機関が対策を進め少しずつ回復傾向にありますが、依然として大きな課題です。
また、高地に位置するため、冬季の寒さによる健康リスクも影響を与えています。
レソトでは、ほとんどの物資を南アフリカからの輸入に頼らざるを得ず、36%が貧困ラインに達しています。自国の生産性が乏しい現状、貧困、干ばつ、エイズ、食糧危機による多数の孤児など、国が抱える問題は深刻に命と関わっています。
現状と対策
近年では医療支援や啓発活動が進められており、改善の兆しも見られます。
レソトに滞在中、UKからボランティアで半年ここの学校に教師としてきているという人と出会いました。
彼は「教育も必要だけど、各人の仕事や食料も必要。どれも後回しできない現実が目の前にいつも迫っている。」と苦しそうに話していました。
何かしたいと思う気持ち。助けたいと願う気持ち、
でも何を、どうやって。世界の悲しい現実に向き合うたびに、いつもいつもぶつかる壁。
形にはなりませんが、それでもあきらめず、自分にできることをひとつひとつやっていきたいと思っています。
レソトの地理的特徴

レソトは全土が海抜1,000メートル以上の高地に位置し、「天空の王国」とも称されます。
山岳地帯が国土の大部分を占めており、ドラケンスバーグ山脈やマロティ山脈などの山々が広がり、豊かな自然景観が魅力です。
最高峰は標高3,482メートルのタバナ・ントレニャナ山(Thabana Ntlenyana)です。
レソトの歴史

19世紀初頭、モショエショエ1世(Moshoeshoe I)がバソト族を統一し、現在のレソト王国の基礎を築きました。
彼は近隣部族やヨーロッパ勢力から領土を守るため、1868年にイギリスの保護領となる道を選びました。その後、1966年に独立を果たし、立憲君主制国家として現在に至ります。
レソトの文化

レソトの文化はバソト族の伝統に根ざしています。
民族衣装として、円錐形の麦わら帽子バソト・ハット(Basotho Hat)の「モコロティ」や、独特の模様が施された「バソト・ブランケット(Basotho Blanket)」が特徴です。
これらは日常生活や特別な行事で着用され、文化的アイデンティティの象徴となっています。音楽やダンスも生活の一部であり、伝統的な祭りや儀式で披露されます。
レソトの治安

レソトでは高い失業率や貧困から、窃盗や強盗などの犯罪が発生しています。
特に首都マセルでは、外国人を狙った犯罪も報告されています。夜間の外出や単独行動は避け、貴重品の管理には十分注意してください。
また、南アフリカとの国境付近では車両盗難や武装強盗が発生することがあるため、最新の治安情報を確認し、注意を怠らないようにしましょう。
山岳地帯では天候の急変や高山病のリスクがあるため、十分な準備と現地ガイドの同行をおすすめします。
レソトの有名な食べ物

レソトの主食はトウモロコシや小麦で作られた「パパ(PAPA)」と呼ばれる練り物です。これに豆や野菜を煮込んだ「モロホ(MOROHO)」という青菜の炒め物を組み合わせて食べるのが一般的。これらは主食として親しまれており、シンプルながら滋味深い味わいが特徴です。
また、鶏肉や牛肉のシチュー、オックステールシチューも美味。他にも、地元で生産される新鮮な野菜や果物もぜひ試してみてください。
レソトの有名な特産品・お土産

バソトブランケット(Basotho Blanket): 伝統的な柄と色彩が特徴のウール製ブランケットで、実用性と美しさを兼ね備えています。
モコロティ(Mokorotlo): レソトの象徴ともいえる伝統的な帽子で、手作りの工芸品として人気があります。
手工芸品: 地元の職人による籐製品やビーズアクセサリーなど、手作りの温かみを感じるアイテムが揃っています
レソトの世界遺産と有名な場所

世界遺産:
マロティ-ドラケンスバーグ公園(Maloti-Drakensberg Park): 南アフリカとの国境に位置し、壮大な山岳景観とサン族の岩絵が見られる複合遺産。南アフリカのウクハランバ・ドラケンスバーグ公園とレソトのセサバテーベ国立公園が対象になっています。
有名な場所:
マレツニャーネの滝(Maletsunyane Falls): 落差約200メートルを誇る美しい滝で、周辺ではハイキングや乗馬が楽しめます。
タバ・ボシウ文化村(Thaba Bosiu Cultural Village):レソト建国の歴史を学べる文化施設で、首都マセル近郊にあります。
カティセ・ダム(Katse Dam): アフリカ最大級のダムで、見学ツアーやボートクルーズが人気です。
レソトの気候

レソトは高地にあるため、年間を通じて涼しい気候です。
夏(11月~3月)は温暖ですが、午後に雷雨が発生することが多く、軽量のレインジャケットが必要です。
冬(5月~8月)は非常に寒く、特に山間部では氷点下まで冷え込みます。
ベストシーズンは春と秋(4月~5月、9月~10月)で、気温が穏やかで観光に適しています。防寒対策をしっかりし、天候の急変に備えた服装を準備しましょう。
交通手段と移動のコツ

レソト国内の移動は、ミニバスやレソトで利用可能な配車アプリとして、Boltがあります。
公共交通機関は限られているため、山岳地帯への移動には時間に余裕をもって計画を立てるようにしましょう。時間に余裕がない人は、レンタカーやツアーをおすすめします。道路状況は場所によって悪路も多いため、運転には注意が必要です。
都市部では徒歩移動も可能ですが、夜間の外出は避けましょう。タクシーを利用する際は、事前に料金交渉を行うことをおすすめします。
旅行前の準備

- 両替:レソトの通貨「ロティ(LSL)」は、南アフリカ・ランド(ZAR)と等価で使用可能。空港や銀行、市内の両替所で交換可能ですが、南アフリカでランドを用意しておくと便利です。
- 予防接種:黄熱病のリスクは低いですが、A型・B型肝炎、破傷風、腸チフスの予防接種を推奨。マラリアのリスクは低いものの、蚊よけ対策をしましょう。
- SIMカード:現地の通信会社(Vodacom LesothoやEconet Telecom)で購入可能。主要都市で購入できますが、田舎では入手しにくいため注意。
レソトの基本情報まとめ

天空の王国、レソトへ行った感想は、天空の城ラピュタ、風の谷のナウシカの世界へ来た、というものでした。素朴な人々と独特のファッション、泣きたくなるほど美しい手つかずの自然。ここにいるだけで優しく、強い人間にならなくちゃと感じる場所でした。
平均寿命が世界でもっとも短いと言われるレソトですが、近年は徐々に改善されつつあります。美しい自然に住む人々が穏やかに長生きしてくれることを願わずにいられません。
レソトは本当に素敵な国でした。みなさんもぜひ、行ってみてくださいね。


You May Also Like

トーゴってどんな国?治安や歴史など旅行前に知っておきたい基本情報【2025年最新】
2025年1月24日
タンザニアってどんな国?治安や文化など旅行前に知っておきたい基本情報【2025年最新】
2025年3月4日