
「マレツニャーネ滝」旅行記|天空の王国レソトは風の谷のナウシカのリアル版だった
目次
Toggle南アフリカにぐるりと周りを囲まれている小さな内陸国、レソト王国。
ドラケンスバーグ山脈内に位置し、平均標高1400mの山岳国家で天空の王国とも呼ばれるその名の通り、空と風を近くに感じる国でした。
この記事では私の中で忘れられない国Top10 に入るレソトの、マレツニャーネの滝とジブリの描く村のようなセモンコンでの滞在を紹介します。
マレツニャーネの滝とは
マレツニャーネの滝(Maletsunyane Falls)は、レソト王国にある高さ約192メートルの滝で、南部アフリカで最も壮観な滝の一つ。セモンコン(Semonkong)近郊に位置し、マレツニャーネ川が断崖から一気に落下する姿は圧巻です。
周囲の大自然と相まって、観光やハイキングの人気スポットとなっています。
マレツニャーネ滝の場所
マレツニャーネの滝のビューポイントは、セモンコンから歩いて3時間、馬に乗ってだと1時間半くらい。逆ルートで滝の上に行くのは歩いて1時間半くらいです。
観光拠点:セモンコン(Semonkong)へ

マレツニャーネの滝への行く拠点はセモンコン(Semonkong)の村になります。首都のマセルからは、公共バスで行くことができます。
マセルからセモンコンへは、約3時間。セモンコンへたどり着くまでの道中は、谷や草原、小さなせせらぎなど、目に入る風景がどこも美しく、飽きることはありません。
ずっと窓にくぎ付けになっていました。

そしてそれらの自然の風景以上に、村の人々が馬やドンキーとともに畑を耕し、荷物を運び、家畜と寄り添いあい静かに暮らしている光景が幾度となく目に入り、その姿がとても感動的でした。
ぎゅうぎゅう詰めのミニバスも、悪路もノロノロ運転も苦にならず、このままずっとこのバスに乗り続けたいと思ったほどです。

そして、野越え山越えたどり着いたセモンコン。
自然が美しく人も素朴で、最初にここへ足を踏み入れた瞬間に、「風の谷のナウシカのような所」という印象を持ちました。
この土地独特のレソト帽(モコロティ)やマント(バソト・ブランケット)の影響があるからなのかもしれません。とても可愛らしく、ナウシカの村人たちが着ていそうな気がします。

村の人々は真面目に堅実に働いている印象です。太陽の下で、日干しレンガを作ったり、ドンキーに重い荷物を載せて谷を行ったり来たり。
貧困層が多いと言われていますが、みんなカメラを向けると、とびっきりの笑顔で応えてくれる人が多く、ぎすぎすした感じはありませんでした。
※とはいえ、写真を嫌がる人もいるので、無理な撮影はやめましょう。

そして、ここでは出会う人たち1人1人から潔いパワーを感じました。
じたばたせず、この大地に身を任せ、太陽とともに自然に生きる人たち。そんな雰囲気だと思ってしまったのは、私の頭がすっかりナウシカワールドに没入していたからかもしれませんが。(笑)

村を歩いていると、陽気なおじさんに結婚を迫られること30分。周りの人たちは呆れ果て傍観してます。
好きなキャラだけど・・結婚は・・(笑)でも話せて楽しかったです。この後、この方が働く小麦工場も見学させてもらいました。

しつこいですが、この町はほんとに風の谷。
こんな感じの人、ナウシカにいませんでした?
もう村中の人がナウシカの実写版に出ているようにしか見えません。

バソト・ブランケットが本当におしゃれ。
バスの乗り場前にマーケットがあって、そこで買うことができます。荷物が少なければこのバソト・ブランケット本当に1枚買いたかったのですが、バックパックが重すぎて断念。
次回来た時は絶対に買います!

村の人も動物も穏やかでのんびり。ドンキー、馬、牛、ヤギは人間の生活に絶対的に必要な存在。移動も車よりも圧倒的に馬が多いです。
この村の人たちは、外国人だ!っていう偏見や興味の目もそれほどなく、気楽に村歩きを楽しめます。
ふっふっふ。そして、ロッジのスタッフから聞いてきたマーケット。
このマーケットへ来たお目当てはジンジャービアを飲むため!
ロッジでもビールは飲めますが、やはりローカルアルコールは試したいところ。地元ならではの食べ物や飲み物はなるべく試したいです。
ちなみに私のお腹はスーパーストロングです。(笑)
まずは、試飲前に腹ごしらえ。
プラのBOXに入れられて売ってたお魚の天ぷら。肉厚ですごく美味しかった!
1枚50円くらいでした。海のないレソトでは多分貴重なお魚なはずなのに、このお値段と味はコスパ最強!
意外に脂っこくなくさらりと食べきりました。都会のバーで出される、胸やけしそうなフィッシュ&チップスより何百倍も美味しいです。毎日でも食べれます。
そして、じゃーん!お待ちかねのジンジャービア。どぶろくみたいな感じ。
一般的なジンジャービアはノンアルだけど、これはアルコール有りのジンジャービア。
でっかいバケツ?桶?で大量に作ってるのを、なんかの空きカップでざぶんと豪快にすくってくれました。(笑)
酸味が絶妙で美味しいです。衛生面気にならない人はぜひお試しを!私は滞在中、毎日通い詰めでした。
マレツニャーネの滝へ①ホースライディング

いよいよ、アフリカ大陸で最大落差を誇るマレツニャーネの滝へ。
歩きか馬か悩んで、今回はホースライディングをチョイス。ホテルに迎えにきたガイドの連れている馬を見てびっくり!
大きい~💦
今までもなんどか乗馬で観光、という経験はありましたが、今までよりも一番大きい馬かも。颯爽と、とはいかず、馬によじ登り、出発進行です。

馬を走らせ、谷や草原をひた走っていると、気分は完全にナウシカ。意味もなく自分が優しくて強い子になったような錯覚に陥ります。(笑)
ここで育ったら、絶対に優しい人に育つだろうなあと考えながら、それなのに寿命が短い国だなんて切ないな、と思ったりしてました。

私個人的にはこういう感じの家はすごく好きですが、それは、選べる身であるから言えること。やはり、冬寒い時期には辛いだろうなと思います。
トタンのツギハギの家は、この村では当たり前のようにたくさんありました。

谷、谷、谷、
これは馬できてよかったです。歩きは結構つらいかも。

天気も良く、風景も美く、清々しい気分で平原を進み、谷を登ったり下りたりすること1時間。
突然目の前に断崖絶壁の巨大なキャニオンと滝が現れます。息を飲む、とはまさにこういう時。
「きれい・・」
この景色はまさに壮大。地球って本当に美しいって呆然とするほどの絶景でした。
ここは、写真で見るよりも絶対自分の目で見て欲しい景色です。
マレツニャーネの滝上へ②トレッキング

マレツニャーネの滝へ行った翌日、興奮冷めやらぬ中、Maps meを見ていたら、Google Mapにはのってないマレツニャーネの滝の滝真上へ向かう道を発見!
滝の上側に行けるなら行ってみたい!と思い、レセプションに聞くと、裏のセモンコン川沿いに下っていけば滝上まで行けるよ、とのこと。
そうと聞いたら善は急げで、ガイドをつけずに1人で行ってみることにしました。
歩き始めは意気揚々。ところが・・・・
川沿いに入って、この少し先にいったところあたりから雲行きが怪しくなります。
そしてついに雨・・。
Maps me上では、まだ3分の1くらいしか進んでいません。

引き返すのもシャクなのでそのまま進んでいると、だんだん雨は本格的に降り出し、ついに夕立に。この時すでに道のり半分。
雨に濡れるのはいいけれど、雷が鳴り始め、そしてバリバリ落ち始め恐怖MAX!!
恐ろしくて前にも後ろにも進めず、身を隠す場所もなく、岩かげで「くわばらくわばら」と唱えながら泣き、耐えること30分。やっと雷も遠のき、少し歩けるくらいに回復。
さすがにこの時は死ぬかも、と本気で思いました。雷は大嫌いです。
思いがけないピンチでくじけそうになりましたが、ここまで耐えたなら先に進むしかない、と力をふりしぼって滝上へ向かって進みます。

途中で羊飼いと遭遇。
こういうのも何度も見てきている風景ですが、レソトの人たちと風景だと、感動が10倍くらい違います。
本当になんででしょう。とにかく絵になるんです。

静かで平和な川辺。
天気がよかったらもっと気持ちが良かったと思うけど、雨上がりもしっとりして情緒があり、これはこれでよかったです。

そうやって羊飼いや牛とすれ違いながら、やっとたどり着いた滝上!
こちら側からもなかなかの絶景です~!
マレツニャーネ滝の本当の真上です。

ただ、この時、雨降ったあとで岩が滑りやすくなっているので、片手になるのは無理。岩にしがみついて滝を見下ろす片手を離したら、途端にすってんころりんと滝に落ちてしまいそう。
なので写真は際際のところでは撮影できず、一歩引いたところからだけ。ちょっと残念。
でも滝上から見下ろすマレツニャーネの滝の景色は目にしっかり焼き付けました。
遠かったし、怖かったし、濡れたしで散々でしたが、滝上を見れてよかったです。
天気がよければ滝上までのトレッキングも本当におすすめ。ただ、あまり安全なルートではなかったので、行ってみようという方は十分気をつけてくださいね。
Maps meは、ときどき人の私有地とか道なき道をルートに入れることがあるので曲者です。でもおかげでいつも冒険してます。(笑)
マレツニャーネ滝観光に便利なホテル

いつもは安宿かキャンプなのですが、セモンコンではちょっと良いロッジに泊まったのでご紹介。マレツニャーネ滝へ行くなら、拠点として絶対におすすめ。
絶対に気に入ると思いますよ!
Semonkong Lodge(セモンコン・ロッジ)

Semonkong Lodge(セモンコン・ロッジ)は、レソトのマレツニャーネの滝近くにある宿泊施設で、美しい自然環境と冒険アクティビティを楽しめる人気のロッジ。
伝統的な石造りの建物が特徴で、快適な客室や暖炉付きの共用スペースを備えています。
滝へのトレッキングや乗馬、世界最長級のアブセイル(ロープ下降)体験などのアクティビティがホテルで手配可能。(若干割高、でも気軽)
レソトの文化に触れながら、手つかずの大自然の中でリラックスできる魅力的な滞在先です。
Semonkong Lodgeのお部屋

ここで一番嬉しかったのが、お部屋に薪の暖炉があって、夕方になると薪をもってきてくれ火をくべてくれます。じんわりほんわり温かくなっていく感覚がすごく幸せ。
本館へ食事へ行って戻ってくるときに、自分のロッジの煙突から煙が出ているのを見ると、気分も高揚。ますますナウシカ気分になります。
また、部屋が夕陽や朝日に染まる時間帯は、とっておきのハイライト。丘に建っているので、そこからの風景も一見の価値ありです。
お部屋にある1つ1つの何気ない作りや飾りは、素朴なのに洗練されていて、居心地の良い時間を過ごせます。
また絶対にもう一度訪れたいと思わせるロッジでした。
マレツニャーネ滝の観光は何日必要?

マレツニャーネ滝(Maletsunyane Falls)の観光には、最低でも1日は確保するのがおすすめです。
日帰り(1日):レソトの首都マセル(Maseru)から車で約3~4時間で到着。
滝の展望台からの絶景を楽しみ、周辺を散策。
世界最長のシングルドロップ・アブセイリング(滝を下るロープアクティビティ)に挑戦する場合は、半日~1日必要。
1泊2日(より充実した体験):サニ・パス(Sani Pass)経由など、レソトの他の観光地と組み合わせ可能。
滝周辺のロッジに宿泊し、のんびりとした滞在を楽しめる。
朝夕の異なる景色を堪能。
2泊3日(滝の上もセモンコン観光も):ビューポイントでの滝見学、セモンコンの観光、滝上のトレッキング、アブセイリングなど、全部楽しみたい場合は最低2泊は必要です。
短時間の観光も可能ですが、アクセスが大変なので日帰りでも丸1日、余裕があれば1泊2日、じっくり見て回るなら2泊3日が理想的です!
私は4泊しました。
マレツニャーネ滝観光のまとめ

小さな小さな国、レソト。
少しでも多くの人がこの魅力的な村と滝を訪れることを願っています。


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