
クウェートってどんな国?治安や歴史など旅行前に知っておきたい基本情報【2026年度版】
目次
Toggleペルシャ湾北西岸に位置し、豊富な石油資源で知られるクウェート。
首都 Kuwait City を中心とした都市部には近代的な高層ビルが立ち並ぶ一方、伝統的なアラブ文化が色濃く残る「砂漠の国」でもあります。
この記事では、クウェートを訪れる前に知っておきたい、ビザや治安、気候、文化、交通、医療環境など、実用的な情報をまとめました。
クウェート旅行を安心して計画できるよう、注意点や旅のヒントもあわせて紹介します。
クウェートの基本情報

正式国名:The State of Kuwait(クウェート国)
位置:西アジア、ペルシャ湾の北西岸。サウジアラビアとイラクに接する。
時差:日本より ‒6 時間(日本が正午のとき、クウェートは午前 6 時)
首都:Kuwait City(クウェート・シティ)
国旗:赤・白・緑・黒のストライプと三角形のデザイン(イスラム・アラブの伝統色)
人口:約 485万9000人(クウェート国籍者は約32%)
言語:公用語はアラビア語。都市部や観光地では英語も通じることが多い。
通貨:クウェート・ディナール(KWD)
宗教:イスラム教が国教。住民の多くがムスリム、スンニ派が大部分。
コンセントタイプ:主にタイプG(イギリス式3ピン)が多く用いられている。日本の電気器具を使う場合、変換プラグと対応可能な電圧か事前に確認を。
クウェートの観光ビザ

クウェートの観光ビザは、日本国籍の場合、e-VISAを事前にオンラインで取得する方法と、クウェートの空港到着時に「アライバルビザ」を取得する方法の2つがあります。
取得方法
1.e-VISAの場合
クウェート内務省のウェブサイトからをオンラインで申請します。
公式ウェブサイト: https://kuwaitvisa.moi.gov.kw/
※必要書類:パスポート、クレジットカード、滞在先住所、連絡先、顔写真ページの画像ファイルが必要です。
2. アライバルビザの場合
クウェートの国際空港到着ロビーにあるビザカウンターで取得できます。
※必要書類:有効なパスポート(残存期間6ヶ月以上)が必要です。
どちらのビザも共通の注意事項
- クウェート入国時にパスポートの残存期間が6ヶ月以上、未使用査証欄が見開き2ページ以上必要です。
- 短期滞在ビザで入国した場合、滞在期間は最大3ヶ月です。
クウェートの大使館情報
在クウェート日本国大使館
住所:Mishrif 7A (Diplomatic Area), Plot 57, P.O. Box 2304 Safat, 13024, Kuwait
電話番号:(+965) 2530-9400
公式サイト:https://www.kw.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
駐日クウェート大使館
住所:東京都港区三田4-13-12
電話番号:03-3455-0361(緊急時 090-8884-9650)
公式サイト:https://www.kuwait-embassy.or.jp/
クウェートの場所と行き方
クウェートは中東・ペルシャ湾の北西岸に位置し、砂漠地帯が広がる一方で海にも面する国。
日本からのアクセスは、直行便は少ないため、乗り継ぎ便で中東またはヨーロッパ経由で行くのが一般的です。
到着空港は、Kuwait International Airport(クウェート国際空港)が主な玄関口。

空港から首都クウェート・シティへはバス、タクシー、ライドシェア、ホテル送迎などがあります。市内の交通手段はバス、タクシーが主で、鉄道や地下鉄は通っていません。
街の標識はアラビア語と英語で併記されているため、比較的分かりやすいです。
クウェートの治安

クウェートは比較的治安が安定していますが、窃盗や暴行傷害事件、偽警察官による詐欺などの報告もあるため、夜間の外出を控える、人通りの少ないエリアには近づかない、所持品に気をつける、という基本的な防犯意識をもって行動することが大切です。
どこの国でも軽犯罪や事故は発生する可能性があるため、最低限の安全対策はしておくようにしましょう。
また、王宮や政府関連施設、軍事関連施設、空港、港湾などでは撮影が禁止されており、知らずに撮影すると拘束される例もあるため、写真撮影には十分注意が必要です。
クウェートの地理的特徴

国土の多くは砂漠で、平坦な地形が広がります。海岸線が長く、複数の島や沿岸地域もありますが、山や大きな川、湖はなく、砂漠の静けさと海の近さが混在するユニークな自然環境が、クウェートの特徴です。
気候は典型的な熱帯砂漠気候で、夏は非常に暑く乾燥し、冬は比較的短く、降水量は少なめ。年間降水量は 22〜177 ミリ程度です。
日本とは異なる地理と気候のため、気温の急変、砂嵐、乾燥、強い日差しなどが旅行中の注意点となります。
クウェートの歴史

クウェートはかつてオスマン帝国の支配下にあった地域です。18世紀ごろ、貿易と漁業を中心とした都市が成立し、当時の有力部族とされるサバーハ家が首長として統治を始めました。
1899年、イギリスと保護条約を結び、イギリスの支配下に。
20世紀に入り油田が発見され、1938年から石油資源を背景とした経済の急成長が始まりました。1961年にイギリスから独立し、正式に独立国家となり、以降、石油収入を基盤に国家発展を遂げます。
1990年には隣国 Iraq(イラク)が侵攻、その後の湾岸戦争で一時占領されましたが、国連による解放後、現在は復興と再建を果たしました。
歴史的には激動の時代を経ながらも、現在は比較的安定した社会を維持しています。
クウェートの文化と習慣

クウェートではイスラムの教えが社会の基盤であり、宗教的・文化的慣習が生活に深く根付いています。旅行者にも宗教や習慣を尊重することが求められ、特に服装や公共の場での振る舞いには注意が必要です。
たとえば、写真撮影では無断で他人(特に女性)を撮らない、宗教施設や政府・軍関係施設付近での撮影を避けるなど。
また、飲酒は法律で全面的に禁止されており、酒類の所持・販売・消費すべて違法。持ち込みも不可です。
食事ではイスラムの戒律に則った習慣があり、豚肉はほとんどのレストレンでも提供されていません。
クウェートの有名な場所

首都クウェート・シティには近代的な高層ビルが立ち並び、その一方で伝統的な旧市街が残るエリアもあり、現代と歴史が混在する都市景観が魅力です。
Kuwait Towers(クウェート・タワー)は市の象徴的な建物で、展望台からは市街とペルシャ湾の眺望が楽しめます。
Grand Mosque of Kuwait は国最大級のモスクで、イスラム建築の雄大さを感じられるスポット(訪問時は服装に注意を)。旧市街の市場 Souq Al-Mubarakiya やコーニッシュ沿いの散策エリア、湾岸沿いの景観など、街歩きも楽しめます。
また、都市近郊および沿岸には海や砂漠を活かしたアクティビティも。現在まだ世界遺産はないものの、自然と都市、両方の顔を持つのがクウェートの特徴です。
クウェートの観光については、
▶クウェートひとり旅|おすすめ観光スポット17選と行ってわかった楽しむコツ の記事で詳しく紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
クウェートの有名な食べ物

クウェートでは、羊肉や鶏肉、米、スパイスを使った伝統料理が楽しめます。
炭火で焼いたケバブや、スパイスと肉と米を一緒に炊いた料理(地域によっては「マクブース」や「マンドゥーシュ」に近い)などが一般的。
また、アラブ圏でよく食べられるフラットブレッド(アラブパン)もあり、滞在中の軽食や地元の食文化体験として人気です。
食事の際には宗教的制限(豚肉・アルコールの禁止)に注意。
屋台や市場ではローカルな味に出会える可能性もあるので、小さな店にも挑戦してみるのがおすすめです。
クウェートの有名な特産品・お土産

中東ならではの伝統工芸品や香辛料、金銀細工やアラビアン香水(パルファム)、デーツ(ナツメヤシの実)、絨毯、手織りの布製品などがクウェートで人気のお土産。旧市街の市場や Souq で現地性のある買い物が楽しめます。
また、金や貴金属のアクセサリー、伝統装飾品、アラビア書道なども観光客に人気。香水やお香は軽くて持ち帰りやすいため、特に日本へのお土産としておすすめです。
クウェートのホテル事情
クウェートのホテルは、ビジネス利用を想定したものが多く、観光者向けの宿泊施設は相対的に少なめ。特に ハイシーズン や公式休日前後は料金が上がりやすいため、早めの予約がおすすめです。
多くのホテルではクレジットカードが使用可能。
宿泊施設を確保する際は、立地(市街中心、海沿い、送迎の有無)やエアコン設備の有無をよく確認し、予約サイトでの検索と比較をするのが賢明。
旅行前にオンラインでホテルを予約することで、到着後のトラブルを避け、安心して滞在できます。
クウェートの交通事情

クウェートには鉄道網はなく、主な移動手段はタクシー、ライドシェア、レンタカーが中心。車は右側通行。幹線道路は広く比較的走りやすい一方で、朝夕の通勤時間帯には激しい渋滞が発生します。
ただし運転マナーは厳しくなく、スピード超過や割り込みなどが頻発することがあり、歩行者は横断や歩道の利用に注意が必要です。
また、外国人によるレンタカー運転は厳しく制限されているため、短期滞在者が運転免許証だけでレンタカーを借りるのは難しめ。タクシーやホテルの送迎サービスを利用するのが現実的です。
クウェートのバス公式サイト:https://citybuskw.com/
クウェートの気候

クウェートは熱帯砂漠気候。
夏(5月〜10月):非常に暑く、日中は気温が 40〜50℃に達することも。強い日差しと乾燥、砂嵐のリスクもあるため、屋外活動は極力控え、外出時は水分補給、日除け、マスクやサングラスを用意しておきましょう。
冬(11月〜翌年4月):比較的過ごしやすく、平均気温は約 15〜25℃。観光にはこの時期がおすすめ。朝晩は冷えることもあるので、羽織りものがあると便利です。
また、砂漠気候ゆえに日中・夜間の温度差が大きい点、乾燥や砂嵐による空気の質の低下による体調管理の必要性も忘れずに。
旅行前の予備知識

両替:通貨はクウェート・ディナール(KWD)。空港、銀行、市内の両替所で両替可能。クレジットカードも比較的普及していますが、小さな店や旧市街では現金が好まれることもあるため、少額の現金を携帯しておくと便利です。
予防接種:入国時に義務付けられたワクチンはありませんが、渡航前に A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフスなどの予防接種を受けることが推奨されています。
医療・水・健康管理:風土病は少ないですが、夏の高温や砂嵐による熱中症、呼吸器疾患、皮膚炎などのリスクあり。水道水は飲用に適さないため、ミネラルウォーターを利用しましょう。
SIMカード・インターネット環境:現地の空港や携帯ショップでSIMカードの購入が可能。都市部ではホテルやカフェでWi-Fiが使えるスポットも多めです。
クウェート旅行での注意事項

撮影禁止エリア:王宮、政府関連施設、軍事施設、空港、港湾施設、石油関連施設などは撮影が禁止されており、無断撮影は拘束される可能性あり。観光でも写真の前に「撮影可か」を必ず確認。
宗教・文化への配慮:イスラム教国であるため、公共の場での服装、飲酒禁止、男女の関係、行動に関して厳格な慣習がある。旅行者もそれに配慮することが重要。
交通・移動:レンタカー運転は難易度高め。タクシーやライドシェアを使うのが無難。夜間や混雑時の移動は注意。歩行者は特に横断や歩道利用に気をつける。
健康面:暑さ、砂嵐による体調不良、熱中症、呼吸器・皮膚のトラブルに警戒。ミネラルウォーターの持参、サングラス・マスク・帽子などの準備を。
クウェート観光のまとめ

クウェートは、砂漠と海、伝統と近代が入り混じる非常にユニークな国。石油によって豊かになった近代都市と、アラブの伝統やイスラム文化が今も息づく歴史ある土地が混在しています。
気候や宗教・文化の違いには留意が必要ですが、服装やマナーに気を配り、基本的な注意事項を守れば、他では味わえない体験ができるでしょう。
特に冬季は過ごしやすく、街歩きや市場巡り、海岸散策などが快適。旅行前にビザの確認、宿泊先の確保、予防接種、水や健康管理の準備をしておけば、安心して旅を楽しめます。
※当記事の情報は実際に旅した際の体験と、調査時点の情報をもとに執筆しています。可能な限り正確を期していますが、万が一情報に誤りや更新漏れがある場合は、お手数ですが「https://tabilapin.com/contact/」よりご連絡いただけますと幸いです。確認の上、迅速に対応・修正いたします。
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