ウランバートルからアルタイ山脈へ陸路移動!バス・車・馬を乗り継ぎ行ってきた
2024年12月25日 /
目次
Toggleウランバートルからローカルの長距離バスに乗ってアルタイ山脈の氷河を見に行ったときの体験談を紹介します。
ツアーだと少し高めですが、自分で移動してオルギーでガイドと馬のレンタルをすると格安で行くことができます。バスは30時間、とかなりの長さですが、道中の風景が綺麗で全く苦になりませんでした。バスに乗り合わせた地元の人たちとのやり取りも楽しかったです。
アルタイ山脈への旅行を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ウランバートルからオルギーへの陸路
ウランバートルから一気に最西端の町、オルギーへ。
目的地まではローカルバスで30時間もっかるとのこと。
であれば、今までの経験からしてその2割増はかかると考えたほうがいい。
まあ36時間くらいで着けばいいなという気持ちで乗り込む。
まずは10分遅れのスタートと、なかなか調子が良かった。モンゴルはバス意外に正確なのか?と思ったのも束の間。1時間おきに止まるバス。トイレ休憩にしてはおかしい…
そして案の定、出発3時間で故障。裏切って欲しい私の予想を裏切らずに足止め。
そしてバスは直らず、新しいバスやってきて乗り換えるはめに。
結局4時間半のロスタイム…なぜ毎回こうなるんだろう…
アクシデントは海外あるあるだけど、あまりにあたる確率高くて私のせいかと悩んでしまう。
新しいバスはまあまあ調子良く走り出す。
見渡す限り平原、草原、地平線。想像していたまんまのモンゴルの景色が続く、どこまでも。
グリーンだけで何万通りあるんだろう。世の中で表現できるグリーンがすべてここにあるのではと思ってしまう。
バスは結局35時間半で到着。まあ、想定内。
オルギーは、ウランバートルとはマイナス1時間の時差あり。ウランバートルが12時の時、ここは11時。
オルギーからアルタイ山脈の麓へ
ラグジュアリーなツアーには縁がない。安値で頼んだ破天荒なドライバーと学生ガイドは、昔ロシアの戦争で使われていたというオンボロ車でやってきた。乗っているだけで左右に大きく揺れ、腹筋が鍛えられる。
オフロードを走るには四駆よりもこれがいいんだと、石がゴロゴロの悪路も、道を遮る小川も豪快にフルスピードでかけ抜ける。土埃にむせかえりながら、荷物や自分がジャンプするのをケラケラ笑いながら、乗り心地最悪の車旅は居心地最高の場所になる。なかなかよいチームだ。
途中、ポツンと一軒家どこじゃない、本当にぽっつーんな一軒家、しかも足場の悪そうな場所に建つラクダ飼いの家をみかけた。なぜここ…
どう見ても上の岩が崩れて周囲に転がっているように見えるんですが…でも住めば都なのかな。
どう見ても上の岩が崩れて周囲に転がっているように見えるんですが…でも住めば都なのかな。
爽快な草原に美しい山々。遊牧民のゲルや放牧中の牛や馬がのんびりした景色はいつまで見ていても飽きない。時々車に驚いたモルモットたちが一斉に自分の穴に逃げ込んで行く。
めちゃくちゃ毛の長いもふもふの子がいて捕まえたかったけど、よそ者が自然生活の邪魔をしてはいけないとぐっと我慢。
そしてオンボロ車で6時間。たどり着いたのはWhite Valley。
白い川の正体はアルタイから流れてくる土の成分。石灰のようなサラサラの粉が原因のよう。いろいろな景色を見せてくれるモンゴル。
本当に美しい風景。絵に描いたように美しいってこういう場所のことを言うんだなと思う。
ただ残念ながら、さすがにこの水は飲めない・・・。
石灰山だから青白く見えてそれはそれで珍しくて美しい。
ホワイトバレーというよりブルーマウンテンな気がする。
アルタイ山脈の玄関口へ
オルギーの町から車で6時間、さらに馬で6時間。ロシアと中国の国境があるALTAIへ。
アルタイ山脈は広大なポターニン氷河や氷雪が残るモンゴル最高峰のフティン峰など、美しい自然の宝庫。
ネットの紹介ではロシアとカザフスタンの国境って書いてるとこも多いけど、正確にはロシアと中国(新疆ウイグル自治区)の国境。モンゴルとカザフスタンは国境重なってない。
とはいえカザフスタンの国境も近く、オルギーにはカザフスタン系の人が多く住み、ウランバートルではあまり見なかったモスクもチラホラ見かけた。
村に入る最後の橋。これを車で渡るのはなかなか勇気がいった・・。
下を流れている川は、ホワイトバレーと同様で石灰水が流れてくるため白い濁流。
氷河までは、馬で2泊3日をかけていく。その前に手前の村でまず1泊。眠るのはテントだけど、遊牧民のゲルにお邪魔してカフェタイム。ゲルの中は家族の全ての生活品簡素にまとめられ、とても効率よくできてる。
どこのゲルに行ってもお鍋にはチャイが入っていて、飲んで行きなさいって出してくれる。
めちゃおもてなし精神すてき。
めちゃおもてなし精神すてき。
そして、差し出されるチャイも、それぞれに家庭の味があって良き^_^
見た目は甘そうだけど、入れているのは砂糖ではなく塩?なのかしょっぱめ。バターを入れて飲んだりもした。風味とコクがでてなかなか美味しくてあったまる。
見た目は甘そうだけど、入れているのは砂糖ではなく塩?なのかしょっぱめ。バターを入れて飲んだりもした。風味とコクがでてなかなか美味しくてあったまる。
高山植物が咲き誇る山脈は気分爽快。夕方放牧していたヤクやヤギたちが帰ってくると、まずはヤギやヤクの子どもたちのミルクタイム。子どもたちが飲み終わったら、次は人間さま用のミルク絞りが始まる。
当たり前のことなのかもしれないけれど、動物をリスペクトしているようで優しい気持ちになる。
バターやチャイに入れるミルクなど、遊牧民には欠かせないプロダクト
バターやチャイに入れるミルクなど、遊牧民には欠かせないプロダクト
馬に乗って氷河を目指す
そしていよいよ氷河へ出発。
久しぶりの馬旅にテンションもMAX。
調子に乗って時々思いきり馬を走らせたり、崖っぷちを歩かせたりしながら進む。
1回馬が他の馬に感化されてマジ走り始めたときは、ちょっと怖くなったけど。
馬の本気ギアが入る瞬間ってこんな感じなのかーとわかり経験値ぷらす。
この辺りはアジアのスイスとも呼ばれているらしい。
スイスはまだ行ってないからわからないけどこんな感じなのかな。
スイスはまだ行ってないからわからないけどこんな感じなのかな。
写真ではあまり見えないけど、色とりどりの可愛い野花が咲き誇り、心に底から癒される
たどり着いたポターニン氷河は、温暖化の影響で毎年5mも縮小していっているのだそう。
こんな美しい景色が見れるのも、あと数年になるのかもしれない。
人里から遠いこんな場所にも人間の生み出した悪影響が届いてしまっていること、本当に申し訳なく思う。
ここまで片道約6時間。私はお尻の皮むけちゃった。
ハードだったけど、そのかいあって、美しい眺め独り占め。
一番右の山の山頂を境にその向こうはロシア。中央の山の向こう側から中国、新疆ウイグル自治区。
モンゴルへ亡命する人も多いというロシアに、早く平和が訪れてほしいと願う。
山は天気がコロコロ変わる。さっきまで晴れていたのに、みるみる雲が覆いかぶさってきた。まるで雲が山を飲み込んでいくようで少し怖かった。
しかもこのあと、大荒れになって一回テントが飛ばされた。
しかもこのあと、大荒れになって一回テントが飛ばされた。
簡易テントだけど十分。
ここは宿泊施設はないから、泊まるなら全員野宿。
テントの中は自分だけのパラダイス。
ここを訪れたのは7月だけど、夜は寒かった。セーター着て、中綿ジャケット着て、寝袋で眠ってもまだ手足が冷たい!
アルタイ山脈へ行くなら、しっかりと防寒対策を!
2泊3日の氷河トレッキング終了
麓までまた馬に乗っており、待っててくれたドライバーさんと合流。お帰りなさいと歓迎してくれるように、麓に大きな2重の虹が。
アイスランドや北極で見てきた氷河を、まさかモンゴルで観れるとは思わなかった。
そして、さらに不思議な感覚だけど、氷河を降りて、次は砂漠へ向かおうと思う。
冷と熱の相反する風景を見せてくれるモンゴル。次に出会える景色が楽しみ。
モンゴル空港について最初に見た写真の景色に惹かれて、急遽行くことを決めた場所。
遠かったけど、きてよかった
遠かったけど、きてよかった