
ラバウル観光で行ってよかったスポット12選|大自然から戦争遺産まで
目次
Toggleパプアニューギニア東ニューブリテン島に位置するラバウル(Rabaul)は、第二次世界大戦中に日本軍の拠点が置かれた激戦地区。多くの戦跡が今も残されています。
また、火山の街としても知られ、1994年の大噴火では大部分が灰に覆われましたが、現在も雄大な自然と独特の文化が息づいています。
火山の迫力と戦争の記憶、その両方を体感できるラバウルは、歴史好きにも自然好きにもおすすめの旅行先です。この記事では、実際にラバウル観光で訪れて良かったと思う見どころをご紹介します。
ラバウル観光MAP
ラバウルにおける日本軍の歴史

ラバウルは第二次世界大戦中、日本軍の南太平洋最大の拠点が置かれた場所です。港の地形が天然の要塞となり、航空基地や司令部、地下壕、地下病院跡など多くの施設が築かれました。
現在でも当時の痕跡が各地に点在しており、日本とラバウルの歴史を物語っています。日本人にとって、これらの戦跡を訪れることは歴史を学ぶだけでなく、戦争の記憶を未来へと伝える大切な体験にもなります。
私も戦争の苦しみはわかっているつもりでしたが、実際にここへきて、当時の跡地を見て、壊れた飛行機に触れて、残された遺品の数々、メッセージ、祈りを読み、やっとその時代の本当の悲痛な状況を知ることができた気がしています。
ラバウルを訪問した際には、火山観光と合わせて、ぜひ戦跡巡りも多くの人にして欲しいと願っています。
ラバウル戦跡巡り6選

火山の大自然と戦跡が調和するラバウル。噴火でできた荒涼とした風景から、戦時中の遺構、日本ゆかりの場所まで、見応えのある観光地が揃っています。
ここでは特に訪れておきたいスポットを紹介します。
①山本バンカー(Yamamoto Bunker)

山本バンカー(Yamamoto Bunker)とは、第二次世界大戦中、日本海軍連合艦隊司令長官・山本五十六がラバウルで使用した地下司令部跡(Japanese WWII Tunnel)のこと。
厚いコンクリートで造られ、内部には作戦室や会議室が残されており、当時の緊迫した雰囲気を感じ取ることができます。
向かいにあるPapua New Guinea Clubには、破壊されたゼロ戦や山本さんの写真などが残る資料館になっています。
戦時中の写真や遺物が展示されていることもあり、日本とラバウルの関わりを知る上で外せないスポットです。
②日本軍地下病院(Japanese Underground Hospital)

ラバウルの戦跡の中でも代表的なのが、日本軍によって掘られた広大な地下壕です。火山性の軟らかい地層を利用して造られ、司令部や倉庫、病院として使われていました。内部は迷路のように広がり、当時の緊迫した様子を偲ぶことができます。

現在は一部が公開されており、ガイドの案内で内部を見学可能です。案内してくれたシスターが、日本人は頭がよい、とても効率的な造りだとずっと褒めていたことが印象に残っています。
暗く、深く、息苦しい中、兵士たちは何を思っていたのか、そう考えると思わず泣いてしまいました。日本の多くの方に見ていただきたい、知るべきだと思う場所です。
③水没戦闘機・船ダイビング(Scuba Diving to Submerged WWII Planes & Ships)

ラバウル周辺の海は、第二次世界大戦中に沈んだ戦闘機や輸送船が数多く眠っているダイビングスポット。
透明度の高い海中に残る機体や船体は、長い年月を経て珊瑚や熱帯魚の住処となり、歴史と自然が融合した独特の光景を作り出しています。
スキューバダイビングで訪れると、戦争遺産を間近に感じながら幻想的な海の世界を見ることができ、悲しみと安堵(戦死者の方たちが、明るい珊瑚や魚たちに囲まれているということに)とを同時に感じる体験となりました。
④水没戦車シュノーケリング(Snorkeling to Submerged WWII Tank)

ラバウル近郊の浅瀬には、戦時中に沈んだ日本軍の戦車が2台並んで残っているスポットがあります。深さが浅いためボートからの観察ややスノーケリングでのエントリーも可能です。
海底に佇む戦車の姿は迫力満点。周囲には色鮮やかな魚やサンゴが広がり、歴史と自然が一度に楽しめる貴重なスポットです。
ダイビング経験がない人でも手軽に戦跡を体感できるのが魅力で、ラバウルならではの体験と言えるでしょう。
⑤Japanese WWII Barge Tunnel(日本軍輸送艇トンネル)

Japanese WWII Barges Tunnel(日本軍輸送艇トンネル)は、日本軍が物資や兵員を隠すために建設した全長数百メートルのトンネルです。
内部には当時の輸送艇が残されており、保存状態の良さに驚かされます。
熱帯の自然に囲まれた静かな場所ですが、戦争の爪痕を今に伝える歴史遺産であり、訪れる人に強い印象を与えます。
⑥ココポ博物館(Kokopo War and Cultural Museum)

ラバウル近郊のココポ(Kokopo)にあるココポ博物館(Kokopo War and Cultural Museum)は、戦争史と地域文化を一度に学べる施設。館内には日本軍や連合軍の兵器、飛行機の残骸、当時の生活品などが展示されています。
また、メラネシアの伝統文化に関する展示も充実しており、ラバウル地域の歴史を幅広く理解できます。
戦争遺物と共に現地の人々の暮らしや芸術に触れることで、ラバウルをより多角的に体感できるスポットです。
ラバウル自然と文化巡り6選
ラバウルの海や火山は見どころがたくさん!ぜひその魅力を存分に体験してみてください。
⑦ドルフィンスイム(Dolphin Swim)
ラバウル周辺の海では野生のイルカと泳ぐ体験ができます。そこに生息するイルカは300頭以上ともいわれ、まさにグランブルーの世界!
透明度の高い海で群れをなして泳ぐイルカと出会える確率は高く、ボートを走らせていると伴走してくれることも多々。
ボートから眺めるだけでなく一緒に泳げる貴重な体験は忘れられない思い出になるでしょう。自然との共生を実感できる超おすすめのアクティビティです。
⑧タヴルブル山(Mount Tavurvur)

ラバウルの象徴ともいえる活火山のマウント・タヴルブル(Mount Tavurvur)。1994年の大噴火では街を壊滅状態にした火山で、現在も火口から煙を上げています。
灰色の大地と真っ青な海とのコントラストは圧巻で、荒涼とした景色の中を歩く体験はまさにラバウルならでは。
火口近くまでハイキングすることも可能で、間近に迫る火山のエネルギーを感じられます。
※火山口付近は灰で滑りやすいので注意。走行距離は短いものの急斜面なので体力は必要です。飲み水は忘れずに!
また、火山麓からは広大なラバウル湾を望むことができ、写真撮影にも最適なスポットです。
⑨ラバウル火山博物館(Rabaul Volcanological Observatory)

ラバウルの火山活動を研究する施設で、観光客も訪問できるラバウル火山博物館(Rabaul Volcanological Observatory)。小高い丘にあり、展望台からはラバウル湾と街を一望できる絶景が広がります。
館内では火山の仕組みや過去の噴火について解説されており、自然災害と共生するラバウルの人々の暮らしを知ることができます。
火山活動の映像資料や模型展示もあり、自然科学に興味がある人には特におすすめ。タヴルブル火山観光とセットで訪れると理解が深まります。
⑩ホットスプリングズ(Rababa Hot Springs)

タヴルブル山の麓には天然の温泉が湧き出しており、観光客に人気のスポットとなっています。灰色の火山地帯の中に広がる温泉は迫力満点で、地熱によって沸騰する水面から湯気が立ち上る光景は圧倒的です。
温泉そのものに入浴することはできませんが、卵を茹でて食べる体験や、火山活動のエネルギーを肌で感じる散策が楽しめます。
自然の力を直に体感できるユニークな観光地です。
⑪ミオコ島(Mioko Island)

美しい珊瑚礁と透き通る海に囲まれた小島で、シュノーケリングやダイビングに最適です。
観光地化されすぎていないため素朴な雰囲気が残り、地元の人々の暮らしに触れながら自然を楽しむことができます。
手つかずの楽園のような景観は、都会の喧騒を忘れさせてくれる貴重なひと時。人懐っこい島民に癒されること間違いなし。
⑫ココポ・マーケット(Kokopo Market)

新鮮な野菜や果物、香辛料、伝統工芸品まで揃う活気あふれる市場です。地元の人々の日常を垣間見ることができ、旅行者にとっても人気のスポット。
色鮮やかな布や手作りアクセサリーはお土産にぴったりで、交渉しながら買い物する楽しさも味わえます。
私は子ども用シャツ(15Kina)とシェルマネーのピアス(1セット5~15Kina)を購入。値段もローカル価格なので安く手に入れることができます。
ラバウルのマスクフェスティバル(Mask Festival in Rabaul)

ラバウルとココポ周辺では、伝統文化を体感できる祭りが開催されます。
最も有名なのはマスク・フェスティバル(Mask Festival & Tolai Warwagira Festival)で、毎年7月に行われます。
色鮮やかな伝統マスクを身につけた踊り手たちが音楽に合わせて舞い、トライバルダンスや火の儀式が披露されるこのイベントはまさに壮観。
また、地域ごとの部族文化を紹介するシンシン(Sing-Sing)も見どころで、太鼓のリズムや歌声に包まれる時間はまさにラバウルならではの体験。旅行時期を合わせれば、自然と歴史に加えて独特の文化に触れられる絶好のチャンスです。
私は今回残念ながら間に合わなかったので、次回リベンジしたいと思います^^
ラバウルのベストシーズン

ラバウルは一年を通して温暖な熱帯気候ですが、雨季と乾季がはっきり分かれています。
ベストシーズンは5月〜10月の乾季で、降雨量が少なく海の透明度が高いため、ダイビングやシュノーケリングに最適です。この時期は湿度も比較的低く、観光や遺跡巡りも快適に楽しめます。7月に行われるマスクフェスティバルに合わせてくるのが最も良い時期といえるでしょう。
一方、11月〜4月は雨季でスコールが増えますが、緑が美しく映える季節でもあります。
火山活動や天候によって交通が乱れる場合もあるため、旅行前に最新の情報をチェックするのがおすすめです。
ラバウル旅行での注意事項

ラバウルは火山活動が活発な地域のため、訪問時には噴火警報や現地ガイドの指示に従うことが重要です。
インフラが整っていない場所もあるため、飲料水や日焼け止め、虫除けなどを準備しましょう。
また、治安は比較的落ち着いていますが、夜間の単独行動は避けるのが無難です。
戦跡を訪れる際には宗教的・歴史的背景に敬意を払い、落書きや遺物の持ち帰りは厳禁です。
Lapinの旅行記:ラバウル編

「Lest We Forget」
終戦記念日 2025.8.15
戦後80年をラバウルから
パプアニューギニアのニューブリテン島東端にあるラバウルは、当時、南太平洋の最前線基地として「南東方面艦隊司令部」や「第八方面軍司令部」が置かれた戦線の中枢だった場所。飛行場や地下施設、病院、弾薬庫、トンネルなどが多数建設され、最大で10万人以上の兵が駐留したという。
それほどの兵士を日本から遠く離れたこんなとこりまで送り込んだ機動力に驚かされる。
最も過酷な激戦地区と言われたラバウルには,今でも島のあちらこちらに第二次世界大戦の爪痕が残されている。
山本五十六さんがブーゲンビル島の上空で襲撃されて戦死した前日まで潜んでいたと言われる基地(山本バンカー)は、小さな丘の中を掘り巡らせた息苦しく狭い場所。
司令部の壁や天井に描かれた地図が、現実にここで戦闘が行われていたんだと認識させる。
暑く暗く息苦しい、それだけでストレスになるような場所で、マラリア、飢え、襲撃との戦いを強いられていたと思うとその過酷さに今さらながら心が痛く涙が出た。
併設のNew Guinea Clubには,ぐにゃぐにゃ曲がった戦闘機や破壊された武器が公開されており,当時の戦いの激しさを生々しく物語っている。
ラバウルの海には撃沈された日本軍の船や飛行機、戦車も多く沈められたまま眠っている。今では魚や珊瑚の棲み家として安らかに佇んでいた。
80年という時間が流れ、当時を知る人が減っていく中,私たちは今どうあるべきなのか。
世の中が多数決で全て決められるのなら,圧倒的多数で戦争を望まない人のほうが多いはず。それなのになぜか世界はいつまでたっても不穏。
みんな「せーの」で核や武器を廃棄し,ハグをしあえればどれだけいいだろう。
慰霊碑のあるところに必ずといっていいほど刻まれていた「Lest We Forget」という言葉。
直訳すると
「忘れないように」
「忘れることのないように」
過去の犠牲や悲劇を決して忘れてはならない、記憶し続けることで、同じ過ちを繰り返さない。
単なる記憶というよりも、追悼と教訓の両方を含んだ誓いの言葉。
戦争をするということ,戦争反対を諦めることは、全員が加害者になるということであり,同時に被害者にもなるということ。
無関係でいることも、どちらか一方になることもできない。

日本と連合軍の戦場となり、多くの一般市民まで被害をうけたパプアニューギニアの人たちは、日本のことをどう思っているのか聞いてみた。
多くの人は「恨んでいない、戦争の記憶はあるが恨みを持つ人は少ない」とのことだった。
自分自身も町や村を歩いていて友好的に感じた。
「戦争は大変だったが、もう終わったこと」として受け止められている、と。
赦し、和解。
それがLest We Forgetの精神なのかもしれない。
ラバウルが教えてくれたこと。
Lest We Forget
戦争も戦った人たちのこともずっと忘れない。
ラバウル観光のまとめ

ラバウルは活火山と戦跡が共存する独特の観光地です。
マウント・タヴルブル山の雄大な景観、日本軍の地下司令部跡、戦争と文化を伝えるココポ博物館など、訪れるべき場所は多彩。火山活動の迫力を体感しつつ歴史を振り返ることで、旅はより深い意味を持つものとなるでしょう。
自然と歴史の両面からラバウルを楽しめば、忘れられない旅行体験が待っています。
※当記事の情報は実際に旅した際の体験と、調査時点の情報をもとに執筆しています。
可能な限り正確を期していますが、万が一情報に誤りや更新漏れがある場合は、
お手数ですが「https://tabilapin.com/contact/」よりご連絡いただけますと幸いです。
確認の上、迅速に対応・修正いたします。

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