
パプアニューギニアってどんな国?治安や歴史など旅行前に知っておきたい基本情報【2025年最新】
目次
Toggleパプアニューギニア(Papua New Guinea)は、南太平洋にあるニューギニア島の東半分や周辺島嶼からなる個性豊かな国。文化・言語の多様性に富み、雄大な山岳地帯や熱帯雨林に囲まれています。
この記事では、2025年8月に実際にパプアニューギニアを訪問したときの情報収集を元に、ビザや大使館、治安、気候、交通、歴史など、旅行前に知っておきたい最新の実用情報を紹介します。
安心して旅行できるよう、事実に基づき具体的に解説するので、ぜひ旅行の計画に役立ててください。
パプアニューギニアの基本情報

正式国名:Independent State of Papua New Guinea(パプアニューギニア独立国)
位置:オセアニア、ニューギニア島東部およびバイエルークス諸島、ブーゲンビル島など
時差:日本より+1時間早い(日本がUTC+9、パプアニューギニアはUTC+10)
※ブーゲンビル島は日本よりも+2時間早い(日本がUTC+9、ブーゲンビルはUTC+11)
首都:Port Moresby(ポートモレスビー)
国旗:赤と黒に鳥のデザイン
人口:約1,429万人(2025年推計)
言語:英語(English)、トク・ピシン(Tok Pisin)、ヒリ・モト(Hiri Motu)
パプアニューギニアは、世界で最も言語の多様性が高い国 。約840の言語が存在し、これは世界全体の言語の約10%以上がこの国に存在しているという驚異的な数。
通貨:Kina(キナ)1kina 約35円 2025年9月現在
宗教:キリスト教が多数。宗教の公式統計は明記なしですが、幅広い教派あり
コンセントタイプ:主にタイプI(オーストラリア式)、日本とは異なるプラグ形状
パプアニューギニアの観光ビザ

日本国籍の旅行者は、パプアニューギニア入国にはビザが必要です。観光目的のビザは、パプアニューギニア大使館に問い合わせて取得してください。
また、銀行の残高証明書(英訳)が必須となりますが、オンラインでの申請も可能です。私はこちらで取りました。ほぼ瞬時にゲットでき簡単です。
公式オンラインVISA申請:https://evisa.ica.gov.pg/evisa/account/Apply
費用:$50
ビザ有効:到着日から30日間有効
ビザはシングルのみ。延長不可
大使館情報
パプアニューギニア駐日大使館
住所:〒153-0064 東京都目黒区下目黒5丁目32-20
電話番号:03-3710-7001
公式サイト:https://png.or.jp/
在パプアニューギニア日本国大使館(Embassy of Japan in Papua New Guinea)
住所:Godwit Road, Waigani, Port Moresby, NCD, Papua New Guinea (P.O.Box 1040, Port Moresby)
電話番号:(675)321-1800
公式サイト:https://www.png.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
パプアニューギニアの場所と行き方
パプアニューギニアは、日本からは直行便がなく、主にオーストラリア(シドニー、ブリスベンなど)や香港、マニラ経由での入国が一般的。ポートモレスビー国際空港(Jacksons International Airport)を利用します。
一部の地域や山岳地帯へは国内線の飛行機、または未舗装の道路を使った車移動が主流で、悪路や気象条件によっては遅延が発生することも多いです。
ニューギニア航空(Air Niugini)は悪いと評判でしたが、私は運よくそれほど悪く感じませんでした。ただし1度奇想天外なことが起こり、悪評の理由は少しわかったかも(下記、体験談参照)。
PNGエアは最悪(フライトキャンセル、遅延は当たり前)とツワモノ旅行者たちの間でも評判なので、今回は使用しませんでした。
都市間の移動には悪路も多く、4輪駆動車が推奨される区間もあります(例:Mount Hagen周辺の高地への移動)
パプアニューギニアの治安

パプアニューギニアの治安状況は改善が難しく、特に都市部では犯罪(強盗・暴行など)が多発しています。更に、未処理の第二次世界大戦の不発弾(UXO)や自然災害のリスク、特定地域での誘拐・海賊活動も報告されています。
治安がよくないと言われるわりには、外務省の渡航情報では「十分注意」のレベル。ここの評価はアメリカの外務省のほうが辛辣かも。
自分が実際に行った感じでは、昼間大通りでの一人歩きは問題ないレベル。ポートモレスビーはホームレスや道端でうろつく浮浪者のような人も多いので、夜やそういったエリアでの一人歩きは避けたほうが無難です。
ハイランドでは山賊のような人たちが出る危険地帯があるので、ドライバーやガイドの指示は絶対に守り、危ないと言われる区域は迂回するようにしましょう。
海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/map/2023T049_1_Detail.html
パプアニューギニアの地理的特徴

パプアニューギニアはグレートニューギニア島東部、バイエルークス諸島、ブーゲンビル島など多岐にわたる島々から成る国。国土は非常に山岳・多雨地域が多く、オーウェン・スタンレー山脈などの高地が中央部を縦断しています。
人口は主に山間部の農村に分散しており、都市化は浅く、12万人規模の言語・文化集団が分布しています。
熱帯低地と高地では気候が大きく異なり、高地では夜間に霜が降りるほど冷えることも。また、国内には豊かな生物多様性が存在し、地表の5%ほどが地球上の既知種の割合とされ、多様な自然資源が特徴です。
パプアニューギニアの歴史

パプアニューギニア(Papua New Guinea)の歴史は、約5万年前に人類が移住したことに始まります。先住民は独自の言語や文化を発展させ、多様な部族社会を築きました。
16世紀にヨーロッパ人が到来し、19世紀後半にはイギリスとドイツがそれぞれ南北を分割統治、その後第一次世界大戦でオーストラリアの委任統治下に入りました。
第二次世界大戦では日豪の激戦地となり、戦後もオーストラリアの信託統治が続きます。1975年に独立を果たし、現在は立憲君主制と議会制民主主義を採用。多民族国家としての多様性を抱えつつも、豊かな資源と伝統文化を背景に独自の国づくりを進めています。
2025年9月16日は建国50年の節目で、私の訪問時は国中がお祝いムードでした。
パプアニューギニアの文化と習慣
パプアニューギニアは世界最多の言語数(800以上)を誇り、部族ごとに異なる衣装や伝統儀礼を残しています。
多言語社会であるため、都市部では英語・トク・ピシンが共通語として機能。文化的伝統は「シングシング」(Sing-sing)と呼ばれる部族ごとの歌・踊りで、Mount Hagen Cultural Showなどでは伝統衣装とともに披露されます。
生活は農耕・収穫中心の共同体が根強く、伝統的な価値観が色濃く残ります。その一方で、暴力や魔女狩りなどの社会問題も依然として存在し、地域によって慣習が異なるため、文化理解と慎重な振る舞いが重要です。
パプアニューギニアの有名な場所

主な都市として、首都ポートモレスビー(Port Moresby)、文化イベントで知られるマウントハーゲン(Mount Hagen)、旧日本軍基地の歴史が残るウェワク(Wewak)などがあります。
Mount Hagenでは毎年行われる文化ショーが最大級の観光イベントです。Wewakには第二次大戦時の日本軍基地跡やCape Womの降伏記念碑があります。
また、ブーゲンビル島やバイエルークス諸島の大自然も魅力的ですが、インフラが未整備なため訪問には準備が必要です。世界遺産は現在登録されていませんが、多様な自然・文化資源に満ちています。
パプアニューギニアの有名な食べ物

パプアニューギニアでは、主食としてタロイモやヤムイモのほか、山芋などの伝統食が多く、地方ごとに異なる調理法があります。
ココヤム(Taro)、カサバ(Cassava)、山芋を蒸したり焼いたりして食べます。
他にカカルク(KAKARUK)といわれる地元の魚やチキンを野菜と一緒にココナッツミルクでゆで、バナナの葉っぱで包んだ料理も一般的です。
主に農村部では自給自足的な食文化で、加工食品は少なく、素朴ながらも自然の味わいが残っています。
パプアニューギニアの有名な特産品・お土産

伝統的な手工芸品が主な土産で、シェルマネー(Shell money:貝殻のお金)、カラフルなビーズ装飾、彫刻品、伝統衣装、手織物などが人気です。
特に西部高地などで見かける民族衣装の布やビーズは、非常に高い装飾性を持ち、土産に適しています。また、地元の民芸品店では自然素材を活かしたバッグやジュエリー、木彫り像なども購入可能です。
パプアニューギニアの交通事情

都市間移動は主に国内線、船、道路の組み合わせです。
主要都市間の道路は未舗装・劣悪な区間も多く、特に高地や山間部では4輪駆動車が必要なことが多いです(例:Mount Hagen への Highlands Highway)。
航空機は移動の主力で、ポートモレスビーと地方都市を結ぶ小型機便が多いですが、天候やインフラにより欠航や遅延も頻繁です。
パプアニューギニア内で使用できる配車アプリはなく、都市内ではタクシーやミニバスが使われますが、安全面には十分配慮してください。
パプアニューギニアの気候

全体的に熱帯気候ですが、標高によって気温・降雨量に大きな差があります。
低地では平均気温27℃前後で、夏季(12~3月)は高温多湿、豪雨が頻発し、洪水や土砂崩れのリスクがあります。Port Moresby近辺は比較的乾燥(年間降水量<1000mm)。
一方、高地(2,100m以上)では夜間に霜が降りるほど冷え込み、日中でも22℃程度に留まります。Mount Hagenなどへの旅行では、防寒具と雨具の両方が必須です。
さらに、季節的なモンスーン風(5~10月は南東風、12~3月は北西風)が降雨パターンに影響します。
旅行前に準備しておきたいこと

両替・通貨:現地通貨(キナ)は現金中心。都市部での両替は可ですが、地方では難しいため、必要額を事前に準備しましょう。 空港での両替レートは最悪です。
私は国際キャッシュカードでATMで引き出しましたが、1回引き出すごとに15Kina(約500円)現地手続き費がかかるので、なるべくまとめて引き出すようにしたほうがよいです。
予防接種:滞在地域にもよりますが、黄熱病、A型肝炎、破傷風などの予防接種は医師と相談を。マラリアリスクも高いため、予防薬の検討が必要です。そのほか、マラリア予防、飲料水対策(浄水器や煮沸)など、安全確保の準備を!
SIMカード/通信環境:空港や都市部では現地SIM購入可能です。地方では電波が不安定なところも多々ありますが、想像していた以上に繋がった感じです。
いくつかの電話会社が販売していますが、おすすめはDigicel。友だちはSmartoneを買っていましたが、地方でほぼ使用できず、Digicelに買い直しをしていました。
私はDigicelのパッケージで、90GB、30Day、120Kinaのものを購入。ホテルのWIFIは使い物にならないところが多かったので、30日で90GBちょうど使い切った感じになりました。
パプアニューギニア旅行での注意事項

治安の懸念(犯罪・誘拐・UXO・自然災害)に加え、医療体制の未整備、通信の不安定、インフラの脆弱さがあります。特に遠隔地では救急搬送が困難で、日本のような医療環境は期待できません。
航空遅延・欠航リスクも高いため、旅程に余裕を持たせ、緊急時の連絡先や保険を必ず整えてください。
また、現地の文化や習慣に配慮し、ガイドや現地 understood 個人との接触を適切に行いましょう。
Lapinの体験談:ニューギニア航空編

とにかく悪評ばかりのパプアニューギニアの航空会社。遅延、欠航は日常茶飯事のため、フライトを伴うスケジュールは常に余裕を持っておかないと何かを見逃してしまう可能性が高いということで、さんざん余裕を持ったスケジュールを組んで挑みました。
そして最初の国内線1便目で問題発生です。
パプアニューギニアでは、オンラインチェックインが必須と言われています。ですが、前日のネット環境が悪いのか、何度試みてもエラー。仕方がなく、当日早めに空港へ行こうと、フライトの3時間半前に空港に到着。
順番がきてチェックインしようとすると、渡されたのは「Waiting」のカード。はい?
カウンターの人いわく、オンラインチェックインした人が全員乗ってから、乗れるかどうかを決めるとのこと。
なにそれ??意味不明。
オーバーブッキングだったのか?なんでそうなるの?と理由を聞いても説明してくれない。そしてどうやらオンラインチェックインできていなかったのであろう数名が脇のウェイティングの列に並ばされて待つしかない状況に。
そして、フライト1時間前になっても50分前になっても催促してもカウンタ―は私たちを無視。みんなで詰め寄ってやっと30分前になって言われたのは、「ウェイティングの人たちは今日は乗れないから、明日の便を再予約して」と・・・
はい????何言ってるの?本当に意味不明。
ちゃんと予約して空港にも3時間半前に来ていて、オンラインチェックインはこっちのミスではなく、そっちのサイトのエラーのせいと説明しても知らぬ存ぜぬ。
怒ってもダメなら泣き落とし。
私今日のホテルも到着した先からの移動のための車も全部お金払ってて、もうこれ以上お金ないよ、何とかこの便に乗せてよ、1ヶ月も前に予約してたのに・・・としくしく泣いたら、なんと乗っていいと搭乗券出してくれた!
泣き落としが成功!
そして猛ダッシュで飛行機へ向かう私。このときフライト時刻10分前。
でももらったチケット見てちょっと違和感。ん?これ、私が予約してたままの席。オーバーブッキングじゃなかったの?と、ちょっと不思議な感覚に。
そして搭乗してまた唖然。めっちゃ空席いっぱい・・・・
え?なんで?
ウェイティングに回された人たちは何のために???
オンラインチェックインできなかった人へのただの嫌がらせだったの?
と思いつつ、とりあえずは乗れたことを安堵。
その後に分かった話。
飛行機が重いと飛べないんだって・・・
だから、理不尽な理由で余計な人間?を乗せないことよくあるらしい・・
正式に予約している、席も確保している、3時間以上前に空港に着いている、席も空いている
それでも乗れない、乗せない、なんてことがあるんです!するんです!そういうこと!
悪評の噂は本当でした・・。
この1本目に懲りて、その後はオンラインチェックインを常に開始と同時に済ませ、エラーになった場合は航空会社に電話をかけまくってコンフォームしてもらうということを徹底し、数本多少の遅延はあったものの、欠航やのれないことはなく終わりました。
それさえなければ機内サービスはそこそこ悪くないと思ったんですけど・・。
ニューギニア航空恐るべし。皆様もご注意を。
パプアニューギニア観光のまとめ

パプアニューギニアは、言語・文化の多様性と豊かな自然に彩られた個性的な国です。
旅行には十分な準備と安全対策が必要ですが、部族による文化ショー、第二次大戦の跡地、高地の静寂と温かい村人とのふれあいなど、他の国にはない体験が待っています。
気候や地理、治安に配慮しつつ、現地の文化を尊重した旅を心がけることで、深く記憶に残る豊かな旅になるでしょう。
※当記事の情報は実際に旅した際の体験と、調査時点の情報をもとに執筆しています。
可能な限り正確を期していますが、万が一情報に誤りや更新漏れがある場合は、
お手数ですが「https://tabilapin.com/contact/」よりご連絡いただけますと幸いです。
確認の上、迅速に対応・修正いたします。


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