
「メディナ」に行ってきた!イスラム世界の聖なる都市サウジアラビアの観光レポ
目次
Toggleメディナは、イスラム教において最も重要な都市の一つであり、世界中のムスリムにとって聖地とされています。巡礼者や観光客にとって、宗教的な意味合いだけでなく、歴史的な魅力も満載の場所です。
この記事では、メディナの観光スポット紹介と旅行記を紹介します。
メディナとは?

メディナ(Medina:マディーナ)は、サウジアラビアの西部に位置し、預言者ムハンマドが移住し、イスラム共同体の発展の拠点となった都市です。
正式名称はアル=マディーナ・アル=ムナウワラ(Al-Madinah al-Munawwarah)。
マッカ(Mecca:メッカ)と並ぶイスラム教の聖地であり、預言者ムハンマドの墓がある「預言者のモスク(アル=マスジド・アン=ナバウィ)」をはじめ、数多くの歴史的・宗教的な名所が存在します。
世界中のイスラム教徒が訪れたいと切望する場所であり、毎日各国の信者や観光客でにぎわっています。
メディナの場所
メディナは、首都リヤドからは約800km離れており、イスラム教の聖地であるマッカ(メッカ)とは約400kmの距離にあります。
メディナの観光名所

メディナには、イスラム教の歴史と文化が詰まった多くの名所が点在しています。特に宗教的に重要なモスクや史跡は、訪れる人々にとって特別な意味を持ちます。
以下に、メディナを訪れる際にぜひ立ち寄りたい主要なスポットを紹介します。
①預言者のモスク(Prophet's Mosque)

メディナの象徴とも言える預言者のモスク(Prophet’s Mosque)は、イスラム教で最も神聖な場所の一つ。アラビア語の正式名称はアル=マスジド・アン=ナバウィ。
預言者ムハンマドが自ら設計し、建設に関わったとされるこのモスクには、彼の墓があり、巡礼者にとって特別な巡礼地となっています。
現在のモスクは拡張され、数十万人を収容できる巨大な礼拝スペースを備えています。
黄金に輝くドームや壮麗なミナレット(尖塔)が特徴的で、夜になるとライトアップされ、一層神秘的な雰囲気を醸し出します。
②クバー・モスク(マスジド・クバ)

クバー・モスク(Quba Mosque)は、イスラム教最古のモスクの一つであり、預言者ムハンマドがメディナに移住した際に最初に築いたモスクとして有名。白を基調とした美しい建築が印象的で、内部も広々としており、祈りの場として非常に静かで神聖な空間が広がっています。
このモスクで礼拝を行うと、小巡礼(ウムラ)を行ったのと同じ功徳が得られるとされ、多くの巡礼者が訪れます。
③ウフド山(Mt. Uhud)

ウフド山(Mt. Uhud)は、625年にイスラム教徒とクライシュ族の間で戦われた「ウフドの戦い」の舞台として有名です。この戦いで、預言者ムハンマドの叔父であるハムザが戦死し、彼の墓もこの地にあります。
登山道を進むと、メディナの街並みを一望できる美しい景色が広がり、歴史的な場所でありながら自然の魅力も感じられるスポットです。
④ジャンナト・アル=バキー(Jannat ul baqi)

ジャンナト・アル=バキー(Jannat ul baqi)は、イスラム教の歴史上最も重要な墓地の一つであり、多くの預言者の家族や教友(サハーバ)が埋葬されています。
預言者ムハンマドの娘ファーティマや孫のハサン、その他多くの有名なイスラムの偉人たちが眠るこの地は、巡礼者にとって特別な祈りの場。墓地はシンプルな造りですが、その歴史的・宗教的な重要性から、多くの訪問者が敬意を表し祈りを捧げに訪れています。
⑤Masjid Abu Bakr Siddeeq RA

Masjid Abu Bakr Siddeeq RAは、預言者ムハンマド(PBUH)の最も親しい友人であり、最初のカリフであるアブー・バクル・シッディーク(RA)にちなんで名付けられました。
シンプルながら美しい建築様式を持ち、イスラム初期の精神を感じられる場所です。静かで厳かな雰囲気の中、礼拝を行うことができ、マディーナ訪問時に立ち寄る価値のあるモスクの一つです。
⑥Mosque of Al-Ghamama

Mosque of Al-Ghamamaは、マディーナの預言者のモスク(Al-Masjid an-Nabawi)近くにある歴史的なモスクです。
その名は「雲のモスク」を意味し、預言者ムハンマド(PBUH)がここで雨乞いの祈りを行った際、雲が現れたことに由来します。
オスマン朝時代の影響を受けた建築が特徴で、穏やかで荘厳な雰囲気。歴史的にも宗教的にも重要な場所で、多くの巡礼者が訪れるスポットです。
預言者のモスクとあわせてぜひ足を運んでみてください。
⑦Quba Avenue

Quba Avenueは、サウジアラビアのマディーナにある活気あふれる通りで、イスラム教初のモスクであるクバ・モスク(Masjid Quba)へと続く主要な道路の一つ。
美しく整備された歩道や並木道が特徴で、巡礼者や観光客が快適に散策できる環境が整っています。
通り沿いにはカフェやレストラン、ショップが点在し、地元の雰囲気を楽しみながら買い物や食事をすることができます。
マディーナの精神性と現代的な魅力が融合したエリアで、街歩きの楽しい場所です。
気候とベストシーズン

メディナは砂漠気候に属し、夏は非常に暑く40℃を超えることもありますが、冬は比較的涼しいです。
訪問のベストシーズンは、10月から4月の涼しい時期で、快適に観光できます。
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メディナを上手に観光するコツ

自分が実際に訪れたときの経験を元に、観光のポイントを紹介します。
1.巨大アンブレラに注目!

預言者のモスクでぜひ注目して欲しいポイントがあります。それは世界中の巡礼者たちを強い日差しから守る大型アンブレラ。
一辺5mもある巨大なアンブレラは、モスクの周りになんと250基も設置されているのだそう。あさがお形状のサスペンション膜構造で、電動で自動開閉ができるようになっています。

このアンブレラが開いている日中の風景はまさに壮観。モスクとアンブレラ、ツルツルに光る地面とのコントラストが優美な風景を作り出します。
また、閉じていく間の柔らかなアンブレラのシルエットや、閉じた後の美しい柱のように凛と佇む姿も必見です。
このアンブレラが開いてときと閉じているとき、ぜひ両方を見て欲しいです。

基本的には陽が沈むと閉じられるようですが、ときには夜も開いていることも。現時点では規則性がわからないのですが、日中と夕暮れ時の2回訪れるか、日没よりも少し早めの時間を目指して、閉じるのを待つのもよいかもしれません。
そして、帰国後に知ったのですが、この大型アンブレラのテントは日本製と知りました!(※建築やシステム設計、取り付けなどは別)
日本の太陽工業株式会社さんが請け負い、耐久性や柔軟性を考慮しながら製造したそうです。

イスラム教徒の聖地である有名なモスクに、国や宗教を超えて日本の技術が取り入れられていることを誇りに思いました。
そんなことを考えながら見学すると、また違った発見があるかもしれません。
ぜひ、預言者のモスクを訪れた時には、このアンブレラにも注目してみてください。
2.Hop On Hop Off バスを利用する

メディナは、率直な私の感想としては、預言者のモスクとクバ―モスクの2つを訪れれば達成感あります。
預言者のモスクとその周辺の雰囲気が圧倒的過ぎて、ほかを見えてもインパクトに欠けてしまいました。なので、無理して他に行かなくてもいいかなと思います。(あくまで個人的感想です。)
それでも全部を見て回りたい場合は、Hop On Hop Offバスが便利です。有名な観光スポットは全部網羅されていました。ただ、料金は高いので、預言者のモスク周辺とクバーモスクだけでいい人は、これに乗る必要ないです。
私は預言者のモスクで、座り込んで雰囲気を楽しんでいたら夜になってしまい、最終の3本前くらいのやつに初乗りで乗りました。正直、終了間際に乗ってしまったので、途中降車は1回しかできず、ほぼ乗って観て周るだけになってしまったので後悔したのかもしれません。
利用するなら計画的に、朝から乗ると効率的だと思います。
例えば、午前中に預言者のモスクで最初に降りて見学、ほかのスポットをオンオフしながら見て回って、最後にまた預言者のモスクで降りる、こうすると、アンブレラの開いた状態、閉じた状態も見ることができるかもしれません。
3.Quba Avenueのトゥクトゥクで移動

メディナのメイン観光スポット、預言者のモスクとクバーモスクは、がんばれば歩いていける距離。とはいえ、炎天下の移動はそこそこ大変です。
それを楽しくしてくれるのがQuba Avenueにある自転車式のトゥクトゥクや、クラッシックカーの乗り合いタクシー。
移動の効率化だけでなく、レトロな乗り物に観光気分も上がります。
値段は交渉制ですが、それほど高くはありません。ぼられないように頑張って交渉してくださいね!私は3人で計450円(1人150円)で乗ってきました。
メディナ観光の注意点と準備

入国制限:メディナはムスリム以外の立ち入りが制限されている地域があります。訪問前に確認しましょう。
服装:男女ともにイスラム文化に配慮した服装を心がけ、女性はアバヤ(黒い外衣)の着用が推奨されます。
宗教行事:ラマダン(断食月)中は、日中の飲食に注意が必要です。また、金曜礼拝の時間帯は混雑します。
治安:サウジアラビアの中でも安全な都市ですが、巡礼シーズンは混雑するため、貴重品管理に注意しましょう。
Lapinの旅行記:メディナ編

メディナは、サウジアラビアのメッカに次ぐ第二のイスラム教聖地。
預言者ムハンマドが住み、お墓もある預言者モスクは、公式にはイスラム教徒以外の立ち入りは禁止。けれど最近は観光客も外側にはいけるとのことで少しだけお邪魔。
第一の聖地、メッカは今でも外側どころか、イスラム教徒以外は街を囲む高速道路までさえも立ち入れない。まあ聖地だし、私のような興味本位だけの人間が、そんなに簡単に立ち入れない場所もあっていいと思う。
メディナの街は、世界中から巡礼に訪れたイスラム教徒でいっぱい。
同じイスラム教でも、それぞれの国や宗派によってルールや衣装が違うのが興味深かった。
服装で判断するなら、ここ預言者のモスクは、遠くからの巡礼の方たちが圧倒的に多かった。サウジアラビアの方たちは、もう1つの有名なモスク、クバーモスクのほうに行っている印象。
お祈りの時間になると、コーランに引き寄せられるようにゾロゾロと集まり、国や宗派も関係なく一緒に祈りを捧げる人々。
ここに集まる人々は心も神も1つ。
ほんの少しのすれ違いで争いにもなってしまう宗教。
何かを信じ、すがり、導きを求める、そんな純粋な祈りだけが共有されるのであれば、世界はきっともう少し平和。
そんなことを思うメディナの夕暮れ。
メディナ観光のまとめ

メディナはイスラム教の歴史と信仰が息づく都市であり、預言者ムハンマドの足跡を辿ることができる特別な場所です。
訪問の際は、宗教的なルールや文化を尊重しながら、歴史と信仰の深さを体感してみてください。信者でなくても、神聖で特別な雰囲気を感じることができるでしょう。


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