サウジアラビアの国旗
サウジアラビア,  中近東

サウジアラビアはどんな国?治安や文化、食事まで旅行前に知っておきたい基本情報【2025年最新】

中東最大の国であり、イスラム教の二大聖地メッカとマディーナを擁するサウジアラビア。近年は観光ビザの発給が開始され、外国人旅行者も訪れやすくなりました。

広大な砂漠や歴史遺跡、近代的な都市が共存するこの国には、魅力的な観光スポットが数多くあります。

この記事では、サウジアラビア旅行に役立つ基本情報や治安、気候、文化、ビザ情報などを詳しく解説します。旅行計画の参考にぜひご活用ください。

サウジアラビアの基本情報

サウジアラビアの観光 リヤド郊外にあるアル・ジェライシー城(Al Jeraisy Castle)

位置サウジアラビア(Saudi Arabia)は中東に位置し、アラビア半島の大部分を占める国です。北はヨルダン(Jordan)、イラク(Iraq)、クウェート(Kuwait)と接し、東はバーレーン(Bahrain)、カタール(Qatar)、アラブ首長国連邦(United Arab Emirates)に隣接しています。南にはオマーン(Oman)とイエメン(Yemen)があり、西は紅海(Red Sea)に面しています。

時差日本との時差は-6時間(UTC+3)で、サマータイムはありません。

首都リヤド(Riyadh)

国旗緑地に白いアラビア語のカリグラフィーと剣が描かれています。

人口約3,600万人(2025年推計)

言語公用語はアラビア語(Arabic)。英語(English)も都市部では広く通じます。

通貨サウジ・リヤル(Saudi Riyal/SAR)

宗教イスラム教(Islam)が国教であり、国民のほとんどがムスリム(Muslim)です。

コンセントタイプBFタイプ(イギリス式・三つ穴)やCタイプ(ヨーロッパ式)が使用されます。電圧は220V、周波数は60Hz。

サウジアラビアの観光ビザ

サウジアラビアへの観光にはビザが必要です。

電子ビザ(eVisa)制度が導入されており、日本を含む多くの国の国籍者がオンラインで申請可能です。有効期間は1年間で、90日までの滞在が許可されます。

「JAPAN eVISA」公式サイトhttps://www.evisa.mofa.go.jp/index

※偽サイトや代理店などのサイトと間違えないように注意してください。

大使館情報

在サウジアラビア日本国大使館

住所:A-11 Diplomatic Quarter, Riyadh, Saudi Arabia

電話番号:+966(0)11-488-1100

公式サイト:https://www.riyadh.emb-japan.go.jp/

駐日サウジアラビア大使館(Royal Embassy of Saudi Arabia in Japan)

住所:東京都港区六本木1丁目8-4

電話番号:03-3589-5241

公式サイト:https://www.saudiembassy.or.jp/

サウジアラビアの場所と行き方

サウジアラビアへは、日本から直行便や経由便でアクセス可能です。

日本の主要空港(成田・羽田・関西)からリヤド(Riyadh)やジェッダ(Jeddah)へ直行便があります。

ドバイ(Dubai)、ドーハ(Doha)、イスタンブール(Istanbul)などを経由するルートはチケットが比較的安めです。

サウジアラビアの地理的特徴

世界の果て サウジアラビアの観光
世界の果て「Edge of the World」

サウジアラビアは広大な砂漠地帯が広がる国で、ルブアルハリ砂漠(Rub’ al Khali/Empty Quarter)は世界最大級の砂漠として知られています。

一方で、西部の紅海沿岸には山岳地帯があり、アシール(Asir)地方では比較的涼しい気候も見られます。

サウジアラビアの歴史

heritage village of Ushaiger, サウジアラビアの観光
heritage village of Ushaiger,

サウジアラビアは以前、オスマン帝国(Ottoman Empire)の影響下にありましたが、第一次世界大戦後に独立の動きが加速。1932年サウード家(House of Saud)によって統一され、王国として成立しました。

近年では、経済多角化政策「ビジョン2030(Vision 2030)」により観光開発などが進められています。

サウジアラビアの文化と習慣

預言者のモスク メディナ サウジアラビアの観光 イスラム教徒の聖地
メディナ「預言者のモスク」

イスラム教の教えが社会の基盤となっており、礼拝(サラート/Salah)は1日5回行われます。服装規定も厳しく、特に女性はアバヤ(Abaya)と呼ばれる黒いローブを着用するのが一般的です。

飲酒は禁止されており、ラマダン(Ramadan)期間中は日中の飲食も控える必要があります。

サウジアラビアの治安

サウジアラビアの観光 リヤドのキングダムセンター・スカイブリッジ(Kingdom Center Sky Bridge)
リヤドの夜景

治安は比較的安定していますが、宗教関連の法律が厳しく、違反すると厳しい罰則が科されることがあります。

スーク(Souq/市場)や観光地ではスリや詐欺に注意が必要です。

また、一部地域では渡航制限があるため、外務省の海外安全情報を確認することをおすすめします。

サウジアラビアの交通事情

サウジアラビアの鉄道
侮るなかれ!かなり満員なので事前予約必須!全席指定

広大な国内の移動は飛行機か鉄道での移動が一般的です。

国内線:リヤド(Riyadh)、ジェッダ(Jeddah)、ダンマーム(Dammam)を結ぶ国内線が充実しています。

高速鉄道:3ルート

「リヤド-ダンマーム (Riyadh-Dammam) 」線、全長449km
「リヤド-クライヤート(Riyadh-Qurayyat)」線、全長2,750km
「ハラマイン高速鉄道(Haramain Express Train)」線、全長450km
メディナ(Al Madinah)、ジェッダ(Jeddah)、メッカ(Makkah)間を走行。

サウジアラビア鉄道公社(Saudi Arabia Railways: SAR)公式サイト:https://www.sar.com.sa/

配車アプリ:Uber、Careemが主流。

サウジアラビアの気候とベストシーズン

FARASAN ISLANDS サウジアラビア旅行
FARASAN ISLANDS

夏(6月~9月)は非常に暑く、リヤドやジェッダでは気温が50℃近くになることもあります。

冬は比較的涼しく、夜間は冷え込むこともあるので羽織れるものを忘れないようにしましょう。砂嵐が発生することがあり、防塵対策も必要です。

サウジアラビアのベストシーズンは11月~3月の冬季です。

この時期は気温が穏やかで、日中は20~30℃程度、夜は10℃前後まで下がり、観光に最適です。特に砂漠地帯やアルウラなどの屋外観光スポットを訪れるなら、この期間が快適に過ごせます。

暑い夏は観光に不向きでが、標高が高いタイフやアシール地方(アブハーなど)は比較的涼しく、夏でも過ごしやすいのが特徴です。

サウジアラビアの有名な場所

カスル・アル・ファリード(Qasr al-Farid)サウジアラビアの世界遺産 マダイン・サーレハ
サウジアラビアといえばマダイン・サーレハを思い浮かべる人も多いはず

メッカ(Mecca):イスラム教の聖地であり、カーバ神殿がある。ムスリム以外は立ち入り不可
メディナ(Medina):預言者ムハンマドの墓があるモスク「預言者のモスク」が有名。ムスリムのみ訪問可能。
リヤド(Riyadh):首都であり、キングダムセンターなどの近代的な建築や博物館がある。
ジェッダ(Jeddah):紅海沿いの港町で、歴史地区「アル・バラド」や世界最大の噴水「キング・ファハド・ファウンテン」が見どころ。
アルウラ(AlUla):マダイン・サーレハ(アル・ヒジュル遺跡)や奇岩の絶景で知られる観光地。
タイフ(Ta’if):バラの生産地として有名で、毎年バラのフェスティバルが開催される。

サウジアラビアの有名な食べ物

サウジアラビアの食べ物 カブサ
サウジアラビアの国民食カブサ

地元の食材や伝統的な調理法を大切にするサウジアラビア料理は、なかなか美味。
サウジアラビアの代表的な料理を紹介します。

カブサ(Kabsa):スパイスで味付けした米の上に、鶏肉や羊肉をのせた伝統的な炊き込みご飯。サウジアラビアの国民食ともいえるカブサは、バスマティライスやチキン、ラム、ヤギの肉などが用いられ、各地で微妙にアレンジされています。

シャワルマ(Shawarma):スパイスで味付けした肉を回転ロースターで焼き、薄いパンに包んで食べる人気の軽食。

マンサフ(Mansaf):ヤギの肉を使った料理で、米やプレーンヨーグルトを添えて提供されます。
これはサウジアラビアのアラブ文化において特別なイベントや祝賀の際に頻繁に食べられる料理です。

サンボーサ(Sambosa)揚げたパイ生地に、具材としては肉や野菜、スパイスが詰められたサンボーサは、サウジアラビアのストリートフードとして人気。軽食として楽しむことができます。味も見た目もサモサと同じ感じでした。

デザート

デーツ(ナツメヤシの実):スイーツの定番。そのままでも加工物も人気
マームール(Maamoul):デーツを使ったナッツ入りクッキー

サウジアラビアは、伝統的な料理だけでなく、現代的なグルメもたくさん。
国際的な料理や創造的なフュージョン料理を楽しむことができるレストランやカフェも増えています。お寿司も人気でした。

サウジアラビアの有名な特産品・お土産

サウジアラビアのお土産・特産品
デーツのお菓子は美味しすぎ!お土産用も自分で食べてしまって何度買い直したことか(笑)

デーツ(Dates):高品質のナツメヤシの実。種類が豊富で、健康食品としても人気。
バラ製品(Rose Products):タイフ産のローズウォーターや香水は、高級なお土産として人気。
アラビアンコーヒー(Arabic Coffee):カルダモンの香りが特徴的なコーヒーで、伝統的なセットも販売されている。
ラクダミルクチョコレート(Camel Milk Chocolate):ラクダのミルクを使用した珍しいチョコレート。
アラビアンカーペット(Arabian Carpets):美しい手織りのカーペットは、装飾品としても価値が高い。

旅行前に準備しておきたいこと

アバヤ、ヒジャブをまとったサウジアラビアの女性
黒装束でハート作ってくれた!可愛い

両替:サウジ・リヤル(SAR)への両替は日本では難しいため、米ドルを持参し現地で両替するのが一般的です。

予防接種:必須はありません。A型肝炎や破傷風の予防接種が推奨されます。

SIMカード:リヤドやジェッダの空港で購入可能。主要キャリアはSTC、Mobily、Zain。

ヒジャブ(スカーフ)女性:正式なものでなくても、いざというときに髪を隠せるスカーフを用意しておいた方がいいです。使う機会はかなりあります。

体験談:サウジアラビア旅行で失敗しないためのアドバイス

実際に旅して、失敗した話、耳にした話です。これから旅行される方の参考になれば嬉しいです。

両替について

アラビア語面だといくらなのか全く読めず。

クレジットカードがあまり使えないイメージで、着いて早々ATMでたくさん現金をおろしたのですが、予想に反してほぼどこでもクレジットカードが使えました。
移動もUberがあるので現金入らず。結局、カードが便利でカードばっかり使っていたら、現金が残ってしまいました。

最終日に慌ててドルに戻したのですが、レートがすごく悪くて大損・・・現金は、必要最低限だけにしておいたほうがいいです。あと、まずはお金の感覚に慣れるのが一仕事。

アルコールについて

サウジアラビア飲酒
幻のビール、幻覚のビール(笑)

サウジアラビは思っていたほど灼熱感はありませんでしたが、外歩きをしていると暑くて喉が渇きます。ジュースを買いに寄ったスーパーで、幻?ビール?ビールだ!!って駆け寄ったらノンアルでした。なんだかと罰ゲームされた気分でがっかり。

サウジアラビアは、昨年、約70年ぶりに首都リヤドで酒類を販売する店舗を開設しましたが、対象はイスラム教徒以外の一部外国人(外交官のみ)に限定されていて観光客はNG。

高級ホテルでも飲酒は不可です。サウジアラビア旅行中は諦めてノンアルを楽しんでください!美味しかったですよ。

マメ知識:サウジアラビアでは、1951年、当時の国王アブドゥルアジズの息子が酒に酔い、英国の外交官を射殺する事件が発生。これを受けて、翌1952年から飲酒や酒類の売買が全面禁止されたそうです。厳格なイスラム教だから、っていうのがメインの理由でないことに少しびっくりですよね。

メディナ観光について

預言者のモスク メディナ サウジアラビアの観光 イスラム教徒の聖地
「預言者のモスク」このアンブレラは日本製

サウジアラビアでは、2019年の観光ビザ発給の発表と同時に、外国人女性はアバヤの着用が原則不要になりました。ただし、公共の場所では肩や膝を露出しない服装が求められています。

聖地メディナでもこのルールで大丈夫なのですが、「預言者のモスク」へ行く場合は、アバヤを着用している方が観光しやすいです。普段着の人は門前払いされていました。

アバヤは着らずとも、ヒジャブくらいは被るのが礼儀として良いかと思います。(個人的感想)

サウジアラビアについてQ&A

サウジアラビアの気になるアレコレお答えします!

サウジアラビアで禁止されているものは何?

・アルコール類(免税店で購入し たもの不可)
・豚肉類(豚の成分が含まれる食品,革製品も対象)
・信仰の対象となる偶像,ポルノ雑誌類(一般雑誌の水着 写真も不可)

サウジアラビアの平均年収は?

サウジアラビアの平均年収は450万円くらいといわれていますが、最新情報では職種や経験、教育レベルによって大きく異なります。

​石油関連産業や金融業、医療分野などで高い給与が得られる一方、外国人労働者の給与は出身国や契約内容によって差があります。​

サウジアラビアの物価は?

サウジアラビアの物価は、日本と比較してやや高め。​特に輸入品や外食費は高く感じます。

​一方で、公共交通機関の利用料金やガソリン価格は比較的安価です。

​2025年1月の報道によると、サウジアラビアの年間インフレ率は1.9%と、世界的に見ても低い水準を維持しています。

サウジアラビアは何が世界一?

キング・ファハドの噴水 ジェッダの観光 サウジアラビア
キング・ファハドの噴水

原油埋蔵量と輸出量(世界トップクラス)

メッカのマスジド・アルハラーム(世界最大のモスク)

アル・ナファド砂漠のルブアルハリ(世界最大の砂漠地帯の一部)
ルブアルハリ(Rub’ al Khali, Empty Quarter)は世界最大級の連続した砂漠地域で、広さは日本の約3倍。

ジェッダのキング・ファハドの噴水(世界最高の噴水)
水の高さは最大312mに達し、世界で最も高い噴水として知られる。

サウジアラビアの今後の注目スポットは?

ジェッダ・タワー(完成予定の世界一高いビル)
2025年以降の完成が見込まれるジェッダ・タワー(Jeddah Tower)は、高さ1,000mを超える世界一の超高層ビルとなる予定。

リヤドのキング・サルマン・パーク(世界最大の都市公園・計画中)
完成すればニューヨークのセントラルパークの約4倍の広さを誇る。

リヤドのキディヤ・エンターテイメントシティ(世界最大級のエンタメ都市・建設中)
テーマパーク、スポーツ施設、文化施設が集結する一大観光地となる予定。

サウジアラビアは一夫多妻?

サウジアラビアでは厳格な条件の元、 一夫多妻制が認められています。
最大4人までの妻を持つことが可能(イスラム教のシャリーア法に基づく)
すべての妻を平等に扱う義務がある(経済的支援や生活環境など)

とはいえ、政府の規制や社会的な変化により、実際に複数の妻を持つケースは減少しているようです。特に都市部では一夫一妻が一般的になっています。

サウジアラビアの基本情報まとめ

RIJAL ALMAA サウジアラビアの観光
RIJAL ALMAA

サウジアラビアは厳格なイスラム法が適用される国ですが、近年は観光にも力を入れています。思っていたよりもウェルカムムードだったのが印象的でした。

写真を撮られるのを嫌がる人もいますが、一緒に撮ろうと言ってくれる人も多くいます。無理をせずにチャンスを待つようにしてください。(笑)

旅行前に必要な情報をしっかり準備し、安全に滞在を楽しんでくださいね!

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