
ロス・ロケス諸島を旅して|カリブ海に浮かぶベネズエラのリゾート滞在記
目次
Toggleベネズエラと聞くと、多くの人が思い浮かべるのは政治不安や経済危機のニュースかもしれません。けれど、カリブ海に浮かぶロス・ロケス(Los Roques)で目にしたのは、そのような報道とはまったく結びつかない、青と白だけでできたような世界でした。
青い空、透き通る海、誰もいないビーチ。今起きている緊張状態が嘘のように、そこには静かな時間が流れていました。
ロス・ロケス諸島とは

ロス・ロケス諸島(Los Roques)は、ベネズエラ北部のカリブ海に広がる大小300以上の島や砂州から構成された群島です。
正式にはロス・ロケス国立公園(Parque Nacional Archipiélago Los Roques)に指定されています。
カリブ海のリゾートというと、高級で華やかなイメージがありますが、ここはラグジュアリーというよりもアットホームで素朴なリゾート。手つかずの自然が厳しく守られてきた場所で、白砂のビーチと透明度抜群の海が魅力です。

シュノーケリングやダイビングが盛んで、「クリスタリンウォーター(結晶のような水)」と呼ばれる澄んだ海と豊かな海洋生物が特徴です。
ベネズエラ国内では知られた存在ですが、国際的な知名度は高くなく、「知る人ぞ知るリゾート」と言えます。
豪華なリゾート開発はなく、自然と共に過ごす静かな滞在が最大の魅力です。
ロス・ロケス諸島の場所と行き方
ロス・ロケスは首都カラカス(Caracas)から北へ約160km。
アクセスは小型機のみで、カラカス国内線空港からセスナ機などで約40分ほど。
海の色が変わっていくのを上空から眺めていると、目的地が近づいていることが一目でわかります。
ロス・ロケスの空港は素朴な造りで、出迎えの人たちも荷物を運ぶためのリヤカーをもって集まっていたり、滑走路以外は未舗装だったりと、到着した瞬間から「特別な島に来た」という感覚に包まれる場所です。
旅行の準備に役立つベネズエラの基本情報(治安・通貨・コンセントなど)は、
▶こちらの記事 に詳しくまとめています。
外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_260.html#ad-image-0
ロス・ロケス諸島の主な島
ロス・ロケス諸島の玄関口となるグラン・ロケと、アイランドホッピングで特に代表的な、訪れる人が多い3つの島を紹介します。
いずれも雰囲気が異なり、組み合わせて巡ることでロス・ロケスの魅力がより立体的に感じられます。
グラン・ロケ(Gran Roque)

グラン・ロケ(Gran Roque)は、ロス・ロケス諸島の玄関口であり、空港や港、ポサーダ(宿泊施設)が集まる中心島。
とはいえ、いわゆる「町」という感じではなく、舗装されていない道、低い建物、カラフルな家々が点在し、島全体がゆったりとした時間に包まれています。
ここは観光拠点であると同時に、島の人々の生活の場。朝は漁から戻るボートが並び、夕方になると住民や旅人が海に沈む夕日を眺めています。
背後にそびえるセロ・エル・カルデラ(Cerro El Caldera)に登れば、ロス・ロケス特有の無数の島々と青い海を一望できます。豪華さはありませんが、この島に流れる穏やかな空気こそが、ロス・ロケス滞在の原点だと感じさせてくれる素朴な島です。
マドリスキー島(Madrisquí)

マドリスキー島(Madrisquí)は、ロス・ロケスの中でも比較的本島グラン・ロケから近く、最初のアイランドホッピング先としてよく訪れられる島です。
浅瀬が広がる穏やかな海と、きめ細かい白砂のビーチが特徴で、初めてロス・ロケスの海に足を浸した瞬間の感動を味わえる場所でもあります。

シュノーケリングでは小さな魚が群れをなして泳ぎ、波も穏やかなため、泳ぎが得意でなくても安心して楽しめます。
透明度が高いため、潜らずとも海面から泳ぐ魚たちを見ることさえも可能です。

観光地化されていないため、島には何もありませんが、簡単な日除けやランチを用意してくれるボートマンが多く、プライベート・アイランドのように快適に過ごせる島です。
私はここで、リラックスし過ぎてしまい、本気で眠って鼻が大やけどになりました(笑)
のんびりしすぎ注意です!
カヨ・デ・アグア(Cayo de Agua)

カヨ・デ・アグア(Cayo de Agua)は、ロス・ロケスを象徴する絶景スポットとして知られる島で、細い砂州が海の上に伸びる風景が印象的。
潮位が低い時間帯には、真っ白な砂の道が海を横切るように現れ、どこまでも歩いていけそうな錯覚に陥いります。
海の色は驚くほど透明で、浅瀬と深場がくっきりと色分けされ、自然が描いたグラデーションは美しいの一言。生涯忘れることのない景色のひとつになるはず。
アクセスはやや遠いのですが、その分観光客も限られ、ロス・ロケスならではの「何もない贅沢」を最も強く味わえる場所のひとつです。
フランシスキー島(Francisquí)

フランシスキー島(Francisquí)は、複数の小島から成るエリアで、アイランドホッピングの拠点としても人気が高い島。
穏やかな入り江と少し波のある外海の両方を楽しめるため、ビーチでのんびり過ごす人と、泳ぎやシュノーケリングを楽しみたい人、どちらにも向いています。
簡素なビーチバーやパラソルが設けられていることもあり、ロス・ロケスの中では比較的「人の気配」を感じられる島です。
それでも視界を遮る建物はなく、見渡す限りの海と空が広がる風景はいつまで見ていても飽きません。自然と人の営みが静かに共存している、ロス・ロケスらしい一島といえるでしょう。
ロス・ロケス諸島滞在記

私がロス・ロケス諸島に滞在したのはたった5日間。けれどそれは、忘れられない貴重な5日間になりました。その時の滞在の記録を紹介します。
セスナ1人じめ パイロット2名、乗客は私だけ

ロス・ロケスへ向かう便は、パイロット2名と私だけ。まさかの乗客私1人。12人乗りセスナを独り占めのプライベート状態。
なんと!こんな贅沢な体験ができるのは、きっと生涯で1度だけでしょう。

小さな機体で離陸し、街並みが消えていくと、眼下には一面のカリブ海。
眼下に見えた海は、信じられないほど澄んだ青。浅瀬はミルキーターコイズ、少し沖に出ると深いコバルトブルーへと変わっていきます。
その色のグラデーションだけで、ここが特別な場所なのだと感じます。
パイロットとも和気あいあいで、気軽に写真にも応じてくれます。操縦席越しに見える景色は観光フライトのようで、少し非現実的でした。
ちなみに、戻りの時は、もう1名地元のおばさんが乗り、同じパイロット2名と乗客私含めて2人、計4人でのフライトでした。
こんな贅沢な移動が成り立ったのは、島に送る荷物や物資が積んであったからだと思います。多分。

島に降り立つと、視界いっぱいに広がるのは白い砂浜と青い空。ニュースで語られるベネズエラの政治的緊張や、アメリカとの関係悪化などが、本当に同じ国の出来事なのかと疑いたくなるほど、穏やかで静かな世界。
期待に胸が高鳴ります。
ロス・ロケスのホテル 家族経営のレストランが宿

ロス・ロケスには大型リゾートホテルはほとんどなく、宿泊は「ポサーダ(Posada)」と呼ばれる家族経営の小さな宿が中心です。
私が宿泊したのは、桟橋の目の前のレストランと宿が一体になった素朴で温かい宿。部屋の鍵も豪華さもないものの、センスの良いインテリアや配置が心地よく、安心して快適に過ごせました。

レストランがメインというだけあり、毎日の食事はおいしく、食事がこの旅の楽しみになったと言っても過言はありません。
ここで食べた新鮮な魚介類や家庭料理にぐっと胃袋をつかまれてしまいました。
滞在中、客というより「家族の一員」のような距離感で迎えてくれたことも嬉しかったです。オーナー家族やボートを操る漁師、近所のおばちゃんたちと自然に言葉を交わす時間が増え、ここに住んでいるような感覚に。

とくに幼い娘ちゃんは私の絶好の遊び相手になり、写真を撮りあったり、絵を書いたり。一緒に過ごした時間はかけがえのない思い出です。
決して安定しているとは言えない暮らしの中でも、彼らは驚くほど親切で、よく笑い、気遣ってくれました。みんなの笑顔が、今も心に深く残っています。
グラン・ロケの散策

グラン・ロケ(Gran Roque)の街歩きは、観光というより「島の日常をそっとのぞく時間」に近い感じ。
島内には信号も大きな商業施設もなく、砂混じりの道沿いにカラフルな家や小さな商店、ポサーダが点在しているのみです。
人の住むメインの町は端から端まで30分ほどで見て周れるほど。
なので町の人たちはみんな顔見知りな上、観光客も少ないため、どこどこのポサーダに泊まってる旅人さんね、という具合に、旅人までも顔見知りになってしまいます。
観光客と住民の距離が近く、すれ違えば自然と挨拶が交わされるのも印象的でした。
道は未舗装で砂浜の砂の上を歩く感覚なため、もちろん町を走る車はなし。走るのはリヤカーのみというのどかさ。
朝には漁師が獲れた魚を運び、昼下がりには木陰で子どもたちが遊ぶのんびりした姿が見られます。漁が終われば、船さえもペリカンに乗っ取られているという(笑)
ペリカンがこんなにアクティブな事を知ってびっくり。目の前でバサバサ飛んでは、頭から勢いよく海に突っ込んで魚をモリモリ食べてました。
オリノコ・デルタに続き、ここでも人間以外の生き物が我が物顔で生活しているようです。

島にはもちろん学校、そして教会も。
病院も絶対あるはずだけど、町を歩いていた時は気がつかず。この島で大病してしまったらどうなるんでしょう。かなり大変そう・・。

港周辺を歩いたあとは、島の背後にある丘へ足を延ばします。短い登りの先には、無数の島々と青い海が広がり、ロス・ロケス全体を見渡すことができる絶景スポットがあらわれます。
ロス・ロケスのアイランドホッピング

ロス・ロケス滞在の最大の楽しみは、ボートで島々を巡るアイランドホッピング。
朝、港に集まると、行き先ごとにボートが分かれ、その日の海況や潮位に合わせてルートが決まります。

アイランドホッピングに行く人たちは数人でボートを相乗りするのですが、観光客が少なく、私以外はカラカスから国内旅行に来ているご夫婦2人だけでした。
エンジン音とともに走り出すと、グラン・ロケの集落はすぐに遠ざかり、視界は青と白だけの世界へとチェンジ。無人島に降り立てば、そこにあるのは砂浜と海、そして風の音だけ。
ってあれ、犬がついてきた(笑)どこから出てきた・・

アイランドホッピング用に、ボートのドライバーがパラソルとチェア、クーラーボックスに冷たい飲み物とお弁当を用意してくれました。
海は透明のエメラルドブルー。たくさんの魚たち。楽園です。日陰も施設も最小限ですが、それがかえって贅沢に感じられます。
島ごとに海の色や表情が異なり、一日でいくつもの「別の世界」を体験できるのが、ロス・ロケスならではの魅力です。

行く島にもよりますが、1日でホッピングする島は大体3つ。ロスロケス諸島は300以上の群島がある・・
全部網羅するには最低でも100日かかりますね。(笑)さすがに全網羅は今は無理だなー。いつかきっと。
もっと詳しくベネズエラの観光地を知りたい方は、▶ベネズエラ観光で行ってよかったスポット7選!世界遺産から絶景に穴場まで もチェックしてみてください。
青と白だけの島時間によせて

日中はボートで無人島へ渡り、誰もいないビーチでただ海を眺めて過ごしていました。
足跡のない白砂と、音を立てずに揺れる海。
ベネズエラ本土では政治的な緊張や対立が続いているはずなのに、ここでは現実感を失ってしまい、まるで時間も、国境も、政治も存在しない楽園のよう。天国のような景色に身を置くほど、島の外で暮らす人々の今を思い、胸が少し重くなりました。

青い海の記憶と同時に、そんな心配が消えずに残っています。
島を離れた今も、ニュースを耳にするたびにロス・ロケスで出会った人たちの顔がふと浮かびます。
あの静かな楽園で暮らす彼らが、どうか無事でありますように。
ロス・ロケス諸島滞在記まとめ

ロス・ロケスは、美しいだけのリゾートではなく、ベネズエラという国のもう一つの顔を、そっと教えてくれた場所でした。
単なる「南国リゾート」ではない、知られていないからこそ、ベネズエラという国の別の顔を、そしてそこに生きる人々の温かさを、強く感じさせてくれる場所でした。
青い空と白いビーチに包まれた天国のような景色の奥に、現実の世界と確かにつながる人の暮らしがあります。そのことを忘れずに、またいつかこの島に戻れる日を、静かに願っています。
※当記事の情報は実際に旅した際の体験と、調査時点の情報をもとに執筆しています。可能な限り正確を期していますが、万が一情報に誤りや更新漏れがある場合は、お手数ですが「https://tabilapin.com/contact/」よりご連絡いただけますと幸いです。確認の上、迅速に対応・修正いたします。
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